入学することが決まったんだけど......。2
私は『新入生挨拶』を終えると、生徒会役員に挨拶をしてから教室に向かった。
私が教室に入ると、担任の先生はまだ来てないのかざわざわとしている。
けれど、私が教室に入ってきたことに気づくと、そのざわめきも、小さくなっていった。
私はそんなことなどお構いなしに、自分の席に座っていると、
「あなた、魔王だからって調子に乗ってるんでしょ?」
そんなことを言われる。
私は、『そんなわけあるかー!』と、思いながらもまわりからはそのように思われているのかもと思い、心の中にその言葉はしまっておいた。
「いいえ」
「魔王だからって調子に乗ってるようにしかみえないわよ?それに、あなたは『新入生挨拶』もやっていらしたわよね?あんな話が首席の話だとか、笑ってしまいそうでしたわ」
いやいやいや、あんたはそもそもできないでしょ!やってもないやつが言うなー!
そう思いながら、私は言った。
「そうですか。それで、何が言いたいんですか?」
「あなた、私と『勝負』してもらえるかしら?」
「『勝負』?別にいいけど、あなたに私とやり合うだけの力があるの?」
なんとしてでも戦いたくないんだけど!!
「あらあら、戦う前から私の心配をしてくださるなんて、魔王様はとても自信があるのですね。ですが、手を抜いていただかなくて結構ですわ」
戦うの?まじで戦うの?
「怪我しても知らないからね?自己責任でよろしくだからね?」
「そこまで言うのでしたら、紙にでも書きましょうか?」
いや、これまじで戦う感じだよね。
「わかった。でも、『魔法』は無しね?」
「どうしてなんですの?」
「この学校が壊れかねないから」
そんな強くないし、『魔法』はちょっと苦手なんだよね。
「わかりました。それでは、」
「「始め!!!」」
そう、二人の声が重なった。
その声とともに、彼女は下段を攻めてくる。
しかし、私にはそんな彼女の攻撃が、とても遅く感じた。
「どうしてずっと避けているんですの?」
いやいやいや、だって相手の攻撃速度が遅過ぎるんだもん。
避けてるとかそういう以前に、反射的に体が動いているというか、なんというか............。
「それじゃ、攻撃していいの?」
「どういうことなんですの?ここまでは全て手を抜いて戦っていたということですの?それとも、それはただ『見栄を』張ってるだけなんじゃないですの?本当は、避けることに『精一杯』だっただけなんじゃないですの?」
いや、どうしてそこまで『自信満々』なのー!
まあ、それはいいんだけどさ。いいんだけどさ!!
それよりも、あなたは本気なの?まさかの、それが全力なの?
「それなら、『攻撃』してもいいってことでいいのかな?」
「もちろんですわ。まあ、攻撃ができるのでしたら、ですけどね」
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