一章 私は魔王じゃないんだから!
転生って、こんな感じだったんだよね。
「ねえねえ、聞こえてますか?見えてますか?意識がありますか?返事できますか?一つでもできないんだったら、『消えますか』?」
聞こえる、見える、返事もできそう、消える?
「て、最後の怖すぎるよ!なに、なに、消えるって?まじ、まじの消える?ちょっと待って!か、確認する時間をくださ~い!」
「なるほど、できそうですね。それでは、あなたは『死にました』。」
「なるほど、私は死にました。うん?死んだ?て、冗談だよね?私って、まだそんな歳でもなんでもないんですけど!!えっ、まって、死んだ?まじ?」
「まじです。まじのまじです。」
「えっ?私、まだ二十代だったよね?ね!」
「いや、三十代ですよ?たまたま、死んだ日が『あなたの誕生日』だったので。」
「え、えーー!いや、私、産まれた日に死ぬって!というか、どういうこと?死んだのになんで意識があるの?」
「それは、あながたまたま三十代での死人、『十万人目』の人間ですからね。よかったですね。それでは、次の時の転生では何を望みますか?」
「えっ?十万人目って!まあ、もうツッコまないよ!どうでもよくなってきたよ、死人の世界だし。うーんと、それなら死ににくい体で。」
「『死ににくい体』ですね。わかりました。それでは、さようなら。」
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