配属初日

「お初にお目にかかります、ゾーマ・ビサンエイジ殿。本日からこちらに配属になりました、司法補佐官のニャーナと申します。ご指導ご鞭撻の程よろしくおねが――」


「おう、お前処女か?」


「な……?」


「男知らないだろって聞いてんのさ。ガキみたいな顔立ちしてっからな。もしかして恋愛経験もゼロか?」


「れ……わ、私だって一応大人ですから、年相応の経験は、その……あるつもりです!」


 ブォン、と、ゾーマ殿の周りに緑色の光が僅かに発生し、その体に吸い込まれた。


「いい嘘だな。ありがとよ。ちょいと疲れてたから助かったわ」


「は……はぁ!?」



 それ以降も、彼の口からは私が本当の事を答えにくい様な質問が何度も飛んできている。――それも、女性に投げかける物とは到底は思えない、いやらしい質問ばかりが。

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