姓名と製麺
鈴城君の裸……陸上部だから、きっと筋肉質なはず。筋肉――この前NHKで観た筋肉体操のマッチョメンみたいな? あああ駄目駄目、マッチョメンなんて思い浮かべちゃ駄目! マッチョな鈴城君が出来上がっちゃうぅぅぅ!
Tシャツを脱ぐために両手を挙げた鈴城君の大胸筋が、ピクピクと二回程上下する。
ああもういいや、彼は脱いだら凄かった。これでいこう。しょうがない。私が鈴城君と普通のクラスメイトじゃなくて幼馴染だったら、小さい頃から遊んだりして身体つきくらいは想像できたかもしれないのになぁ。幼馴染……だったら苗字じゃなくて、お互い名前で呼び合ってるよねきっと。
「綺麗だよ、なずな」
きゃあぁぁぁ頂きました! すずし――健人君、いや健人からのなずな呼び頂きました!
……待って待って。私、もし彼と結婚したら、名前が『
そんな私の家族計画を余所に、健人は身に着けていた衣服を全て脱ぎ捨てて生まれたままの姿になる。彼の中心のいきり立った男性自身が……ここどうしよう。全く想像がつかない。ちょっとエッチな少女マンガだと「大きい」とか「太い」みたいな表現してるけど、うーん……大きくて、太くて……私の中に入るんだよね? じゃあやっぱり入りやすい形の物の方が――――讃岐うどんしか思い浮かばなかった。とりあえずそれでいこう。改めて思い返してみれば、『ごん○と』なんてそれはもう艶かしい響きではないか。あああどうしよう某大手食品メーカーさんごめんなさい。今後もスーパーで御社の商品を見かけても性的な目でしか見られないかもしれません。こんな色欲にまみれた女をどうかお許しください。
私は少し戸惑いながら、彼の讃岐うどんに手を伸ばす。少し汗ばんだ私の手が触れた瞬間、健人から溜息の様な声が漏れて恍惚の表情が浮かび上が…………イメージできない。いつも爽やかな鈴城君が、そんな顔するの? でもきっと気持ちいんだよね。いつかテレビで見た鮭の
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