第13話 〃⑧
「で、イベントって、何をするつもりなんです?」
さすがに、何をするつもりなのかを聞かなければ、肯定も否定もできない。
「うん、クイズ大会でも開催しようかと思っている」
「クイズ、ですか……?」
会長の言葉に、ちーちゃんは、不思議そうに首を傾げた。
「クイズを子供の遊びだと侮っているな?」
「いやー、実際そうでしょ。クイズとか、子供くらいしかやりませんよ」
加藤はどうやら会長の言ったように考えていたらしい。
しかし、会長にはなにか考えがあるのだろう。
でなければ、そんな質問はしない。
「いや、クイズをするのは子供じゃないよ~。ほら、テレビでクイズ王見たいのやってるでしょ? あれ、大人出てるし」
百合先輩が言う。
さっきから僕、発言してないな。
そう思った僕は言う。
「それに、クイズって、けっこういいですよね。これからの時代、思考力が求められますし、それを鍛えるのに適してます。いい案だと僕は思いますよ」
「そう、その通りだ、ちーくん。やはり君を選んだ私の目に狂いはなかったな」
そう言って会長は満足そうにうなずいた。
「いや、そもそも、会長が失敗してるとこ見たことないですけどね」
加藤が隣で言う。
「マジですか……。すげえな、やっぱ」
本当に人間かよと思ってしまう。
さすがに口には出さないが。
「やっぱ会長ってすごいですね。高校生でマンションに独り暮らしっていうのもすごいですし」
加藤ではない側の僕の隣から、さらに会長への称賛の声が聞こえてくる。
ちーちゃんだ。
「そうか。まあ、すごいと言えばすごいかもしれんが、大体は努力の成果だよ。君たちにもできる」
「まあ、その努力が、一番難しいんですけどね」
「お、なんだか知ったようなことを言うじゃないか」
「で、クイズ大会の事ですけど、どうするんです?」
「うむ。また後日、日を追って連絡する。ということで、連絡先を教えてくれ」
「あ、俺にも」
「オネーサンにもくれるかい?」
ということで、連絡先を全員と交換した。
「では、本日はありがとうございました」
「ああ、また遊びに来てくれ」
「またね~」
「「「「おじゃましました~!」」」」
こうして、僕らは帰路に着いた。
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