駄作短編集

なつちやんじゆーす

駄作1

「男女の友情?そんなもんあるわけないじゃん」


焼肉を頬張りながら、古くからの男友達の質問に答える。


「でも俺たちは友達だろ?そこんところどう思ってんの」

「多分いつか絶対どっちか好きになると思う。

今はまだ来てないだけだよ。」

「なんだよそれ。」


鼻で笑って、君も私が丹精込めて焼いていた焼肉を口に入れる。まあいいけどさ。


「でも、私君の行動にキュンとすることはあるよ。君が車道側に行ってくれた時とか、

女性らしく扱ってくれた時はね」

「へー。意外だったわ。お前のことだから気づいていないかと」

「これでも惚れやすいからね。」


今まで散々恋愛では痛い目を見てきたので、

さすがに簡単には恋に落ちないとは思うけれど、心はやはり恋したい乙女。小さなことでも全然キュンとする。


「そんな君はどうなのさ。私にキュンとしたりしないのかい」

「しない。本当に親友ってぐらいかな」

「男はさっぱりしてますなー。新しいの頼も」

「ちゃんと量考えろよ」



多分、私何回か君に恋に落ちてるけど、

多分好きとは言わない。

今大切にしたいのは、君との、このなんでもない時間だし。


焼肉の煙の向こうに見える親友の顔を見つめる。

君の顔ゴリラ風だし。

私のタイプは、狼顔だし。


「なんだよ、人の顔見て」

「いやあ、私って狼顔好きなのに、付き合う人いっつもゴリラみたいなんだよね。意味わからない」

「あれじゃない?お前ゴリラに好かれるんじゃない?メスゴリラなんだろ?」

「はームカついた。君の女装写真部活にばらまく」

「それはマジヤメテ。ゴメン」

「許そう」


2人で笑い合う。

うん、私絶対君に好きなんて言わないよ。

でもいつか、友情なんかじゃ表せない

関係になるよ。

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駄作短編集 なつちやんじゆーす @natuka_fortou

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