第6話 スキルシステムと人間の創造
さてヴァイスの件も終わり、先延ばしになっていた人間の配置をしていこうと思う。
だがその前に今のままこの世界に普通の人間を放てば多分だが数年後には全員が大地に帰っていることだろう。そうならない為には幾つか方法があるが、その中でも手っ取り早い三つを紹介しよう。
一つ目は人間が生存可能なレベルにまで世界全体の能力を下げる事だ、これはそもそも魔獣や人間の居る剣と魔法の世界というコンセプトの都合上ノータイムで却下案件だ。
次に人間の身体能力を上げて創造する、人間の身体能力が上がればこの先増えるだろう魔獣にも対抗して繁栄してくれるだろう。これは割と良い案などで一先ず保留にする。
最後は二個目と大体同じだが私の本命といっても良い。ファンタジー世界と言えばステータス!とかなんとか私が思っているだけかも知れないが、私にとってはステータスのないファンタジーなんてふくしん漬けのないカレーのようなものだ、もしくはらっきょでもいい。
そんなわけでこういうものを用意してみたわけだ。
【個体名】
【種族】
【年齢】
・スキル
・ユニークスキル
スキルシステムを創ってみたのだ、ちなみにスキルの種類はアップデートスタイルで運営するので最初はそんなに数がなくてもいい優れものだ。あ、パラメーターがないのはゲームのように全て数字で管理するのは面倒だからだ、そもそもSTRとか何を基準に数値化しているのかさっぱり分からないので無視だ無視。
さてスキルなのだが説明するためにヴァイスのステータスを晒そう。
【個体名】ヴァイス
【種族】白竜
【年齢】34
・スキル
魔力操作Ⅲ
・ユニークスキル
筋力上昇Ⅵ
まずはスキルの仕様なのだがレベルはⅠ~ⅩまででⅩになれば条件付きで上位スキルを獲得出来るようにする予定だ、上昇系スキルはレベルⅠにつき元の能力が二倍になる。ヴァイスはレベルがⅥだから十二倍ということになる。つまりゴリラだ、いや竜だけど。
次に操作系スキルだが、これは操作が出来ることが前提の補助スキルだと思って欲しい、スキルを持っていなくても操作は出来るがあるのと無いのとは難易度に決定的な差があるといった感じだろうか、まぁ操作系スキルだけに言えたことではないが、基本的にユニークスキル以外は関連する事をしていれば自動的に獲得できるので魔力操作が出来るのに魔力操作スキルがないなんてことは序盤以外はありえないのだ。
基本的な区分で言うならスキルが補助でユニークスキルが底上げのようなものだと思って欲しい、他にも武術適性や料理適性など適正系スキルがある。飛行能力や転移能力など個体に依存しない付与系ユニークスキルも用意している。
さて、このスキルシステムは最初から考えていたものなのですべての種族に適応されることになる。先ほど見たようにドラゴンのヴァイスにも適応されているのだから、当たり前と言えば当たり前だ。
私には人間を創るにあたって一つ譲れないものがある、それは様々な人種を創るということだ。
折角のファンタジー世界で人間種だけなのはかなり寂しいものがある、だから私は人間種を標準種としてエルフと獣人を創ろうと思う。
ただ創るだけでは個性が無くなるので種族補正を付けることにする、人間種は基本形ということでバランスタイプの種族補正だ、五段階評価があるならほぼ全てが三といった所だろうか。
次にエルフだが魔力適性と知性を種族補正ににしよう、エルフと言えば長命というイメージもあるのでその設定も忘れずにしよう、寿命が短いエルフなんてコスプレだろう。
最後に獣人だが実を言うと私は獣人に一番時間をかけたのだが・・・理由は至極単純だ、種類が多すぎる!その上明らかにオーバースペックなのだ。
考えてみて欲しい、動物の種類はそれこそ星の数ほどいるが、それを獣人としての特徴にして複数個体考える、仮に百種類考えたとしても百体分のキャラメイクをしたのとほぼ同じ意味だ。正直やってられないので考え方を変えることにした、種類が多いならその種類を絞ればいい。それでもまだ多いが
さらに減らすために亜科や亜種、属を切り捨てる、つまりウサギならウサギだ。アナウサギ?ノウサギ?知らない子だ、そのまま引用して創るならまだしも獣人になんて出来る気がしない。
という訳で種類を絞った私はここからさらに絞る、つまり独断と偏見による完全に私情しか入らない選別だ。有り体に言えば好みの動物のみ獣人化するということである。モチベーションに多大な影響があるので必要な作業だということにする。
ちなみに獣人の容姿はだいぶ人間に近い見た目にする予定だ、耳と尻尾がある以外は普通の人間と変わらないだろう。
そこまで考えてシュミレーションした結果、獣人の能力が強すぎるということが判明した。獣の身体能力と人間の知能、その上魔力にも適正があるなんてどんなチート種族だ!という訳で急いでバランス調整をすることにする。
獣人なのだから身体能力は優れていないといけない、まぁ私の偏見なのだが間違ってはいないはずだ。ということで獣の特性を種類ごとに付与する事にした。
身体能力を限界まで上げて獣の特性を付与した代償として魔力適性を種が滅びない程度の限界まで引き下げる、これでもかなり強い方だと思うが魔力がほぼ使用できない分、かなり良心的な種族となったはずだ。まぁここからスキルが乗ったりするのだがその条件は全人族や魔獣たちや動物たちも同じなのでせいぜい頑張って頂きたいものだ。
創り出す人類の容姿や背丈などの細かい作業は設定した振れ幅の中でランダムに決定される様にしたので何も問題はない、多少美人美形が増える程度だろう。まぁサービスとしてこの天球の基礎知識を与えて創ろう、その方が生存率も高そうだ。
さてイメージは固まった、では創っていこうか。
創りすぎた大陸を早く埋めたいので同じところに複数種族を置かずに各大陸に分散させて配置しよう、一大陸に一種族を男女ごとに千人ずつ合計二千人を配置し、これで大陸が三つ埋まった事になる。これで後十六大陸だ。
ちなみに残りの一つは私の家のある森の大陸だ。ここには各種族男女で三百人を配置した、内訳は一種族が男女で五十人ずつ百人で計三百人である。
こうして、私はようやく人間を創造し、この天球にも人間達による文明が始まろうとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます