第42話

 ロッドをお父様にご報告して確認すると、私の魔力で間違いないとの事でした。

 ラワーヌ様ならお姉様の能力も引き出して下さるかもしれないわ。お姉様も誘って、一緒にやりましょう!


 「お姉様。少し宜しいですか?」

 「あら? 何かしら?」

 「見てお姉様。私、ラワーヌ様のご指導で魔力をロッドに流し込む事ができました!」

 「凄いわ! おめでとう。この調子で頑張って」

 「はい。ねえ、お姉様もご一緒しませんか? ラワーヌ様が言っておられました。お姉様も一緒にどうですかと。ラワーヌ様ならきっとお姉様の潜在能力を引き出して下さいますわ!」


 そう言うとお姉様は、少し困り顔になった。


 「私にそんなものは、ありませんわ」

 「どうして諦めますの? 私には頑張りなさいと言うのに、お姉様は努力はしませんの!?」

 「え……」

 「あ……ごめんなさい」


 私、何を言っているのかしら? 私はあるとわかったから、練習をしていたのよ。自由に魔力を扱えるようにする為に。


 「そうね。あなたの言う通りね。やりましょう」

 「え? 本当? お姉様!」


 お姉様は頷いた。そうよね。魔力があったらきっと、お父様達もリゾール殿下も喜ぶわ。ラワーヌ様ならきっと引き出して下さるわ。



 次の放課後からお姉様も参加する事になった。


 「お姉様を説得してきましたわ。ラワーヌ様」

 「ありがとう。ユリーナ嬢。では、はじめましょうか」

 「「宜しくお願いします」」

 「えぇ、宜しくお願いしますね。では、お二人共目を瞑りましょう」


 昨日ので何かを掴んだのかもしれないわ。何となく、体をめぐる何かがあるのがわかる。きっとこれが魔力。


 「マリニール嬢、そんなに力んではダメよ。優しくロッドを握るのよ。ユリーナ嬢の方が優秀ね。なのになぜ、―――?」


 お姉様も最初の頃の私と一緒だわ。私も力んでいた。


 「目を開けて。今日も出来ているわよ、ユリーナ嬢。コツを掴んだようね」

 「え? 本当ですか!?」


 直ぐに出来た私は休憩して、お姉様だけ特訓となった。ラワーヌ様は、お姉様に一生懸命ご指導して下さったけど、お姉様疲れたのか、顔色が悪いわ。大丈夫かしら。


 「今日は、これくらいにしましょうか。マリニール嬢、明日もお待ちしておりますわ」

 「ごめんなさい。やはり私はご遠慮します。よくわかりましたから……」

 「そう。それは残念ですわ。………」


 最後の方は、お姉さまに囁いたようで聞き取れなかったけど、ラワーヌ様はお姉様にアドバイスをしたみたいね。


 「では、私はこれで……お疲れ様でした」

 「ありがとうございました」


 はぁ……。

 お姉様が珍しく大きなため息をついた。


 「お姉様、大丈夫ですか?」

 「えぇ、大丈夫よ」


 だいぶ疲れたみたいね。

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