第266話 鳩羽村ダンジョン攻略(4)

 ――そう思いつつ、視界内のログではなく下方部分に表示されている4つのアイコンへと視線を向ける。

 ステータスの項目には何も追加されていない。

 魔法やシステムも同様。

 ただ一つ、スキル欄の項目に一つスキルが追加されている。




  スキル


 ▽「ロリ王LV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「JK交際LV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「隠蔽LV10」(●ON/OFF)

 ▽「ポーカーフェイスLV1」(+)(ON/●OFF)

 ▽「#JWOR」

 ▽「ZH)N」

 ▽「大賢者」(●ON/OFF)【システム凍結中】

 ▽「アルコール耐性LV10」(●ON/OFF)

 ▽「救急救命LV10」(●ON/OFF)

 ▽「限界突破LV10」(ON/●OFF)→(●ON/OFF)

 ▽「バーサクモードLV10」(ON/●OFF)→(●ON/OFF)

 ▽「威圧LV10」(ON/●OFF)→(●ON/OFF)

 ▽「MAP作成LV10」(+)(●ON/OFF)

 ▽「暗視LV10」(+)(●ON/OFF)

 ▽「消去者」(●ON/OFF)


 ▽所有ポイント  5 




「これは……」

「山岸さん、どうかしましたか?」

「――いえ、それより相沢さんは何をしているんですか?」


 俺が、相沢の急激なレベルアップの原因を調べていたところで、ふと気が付けば相沢がモンスターの近くに近寄ったあと、バックから包丁などを取り出しているのが見えたので聞く。


「えっと、ダンジョンコアの回収と――、これって、かなり珍しい赤豚と呼ばれる種類のモンスターなので少しでも肉を取って帰ろうかと思ったんです」

「なるほど……」


 そういえば貝塚ダンジョンでも、ツアー中にダンジョンコアを参加者が集めていたな……。

 あと、お金になるとも言っていた。

 

「手伝いましょうか?」

「いえ、大丈夫です。ダンジョンコアの回収と豚の解体は何度も主人と潜っている時に行っていましたので」

「そうですか」


 たしかに、解体が非常にスムーズだ。

 倒されたからなのか――、それともモンスターだからなのか解体中でも殆ど血が出ていない。

 やはり、地上の動物とダンジョン内のモンスターでは生態系そのものが違うのかもな。

 慣れた手つきで相沢が豚を解体し終わったところでモンスターコアを見せてくる。


「これすごいです」


 相沢の手には、拳ほどの大きさのコアがあり――、色は青。

 たしか青色のダンジョンコアは5万円だったと記憶している。


「もしかしたらレアモンスターかも知れませんね。すごく運がいいです!」


 笑顔で話しかけてくる相沢。

 それを見ながら、もしかしたら俺のステータスの一つ、幸運さんが仕事をしている気がしてくる。

 ちなみに現在のステータスは、




 ステータス

 

 神性属性:ピーナッツマン ▽信仰力530000

 名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

 年齢 41歳

 身長 162センチ

 体重 66キログラム


 レベル1100

 HP 10/10(11000/11000)

 MP 10/10(11000/11000)


 体力217+〔4774〕(+)

 敏捷215+〔4730〕(+)

 腕力216+〔4752〕(+) 

 魔力100+〔2200〕(+) 

 幸運100+〔2200〕(+) 

 魅力103+〔2200〕(+) 


 ▽所有ポイント  5 




 ――と、言うステータスになっている。

 幸運が2300もあるのなら、何が起きても不思議ではない。


「そ、そうですね」


 同意しつつ頷きながらも魔法欄からアイテムボックスを選択。

 四次元手提げ袋を3つほど取り出す。

 一つにつき10キロまで収納できるので、便利なアイテム。


「相沢さん、これを――」


 スーパーで売っているようなカーキ色のトートバック。


「これは?」

「アイテムボックスです。一つ10キロまで入るので、解体した赤豚を入れておくといいです」

「アイテムボックス!? 噂では、聞いていましたけど……」

「まぁ、一応はSランク冒険者なので――」

「そ、そうなんですか……? 海外の探索者協会のオークションでも出回らなって聞きました。ネットでは、一つで数十億の価値があるって書き込みもあるくらいでしたけど……」

「…………Sランク冒険者なので」

「そ、そうですね」


 手提げ袋を受け取った相沢は入れられるだけの――、塊に切り分けた赤豚の肉を四次元手提げ袋に入れていく。

 作業は、まだ掛かりそうなので――、その間にスキルチェックを行う。




▼「消去者」(●ON/OFF)


 神性を破壊する為の称号。

 パーティメンバー・ギルドメンバーに対して加護を与えることが出来る。

 全ての経験値取得率が大幅に上昇。




 やはりというか、スキル「消去者(イレイザー)」の称号の力で相沢のレベル上昇が加速されているようだ。

 一応は、アクティブとノンアクティブを選択できるようだ。

 不審に思われないように、相沢への加護は解除しても良いが……、


 ――問題は、命のやり取りが関わってくるダンジョン内の探索でレベルアップは必要不可欠。

 ある程度まではレベルを上げた方がいいだろう。


「山岸さん、持っておいてくれますか? こんな高いアイテムを持っておくのはちょっと……」


 ある程度、方針が決まったところでモンスターの肉を入れ終えたのか手提げ袋を見せてくる。


「分かりました」


 頷きつつ、相沢が言っていた「こんな高いアイテム」と言う言葉に頷く。

 相沢が危惧している理由はよく分かる。

 俺だって何十億もすると言われた他人のアイテムを持っていられるのか? と、聞かれれば断るだろう。


 手提げ袋を3つ受け取ったあと、重量制限が50キロまである四次元な赤薔薇のポーチを取り出し3つとも入れる。

 そんな俺の様子を相沢は口を開けてみていたが――。


「Sランク冒険者なので――」


 その一言で濁しておく。

 そんな俺の対応に苦笑いしてくる相沢。

 ただ、彼女は追及をしてくることはない。

 何故なら、彼女がすることは――、他にあるからだ。


「それでは、地下に向かいましょう。相沢さんのレベルは18なので、とりあえずは8階層を目指す感じですね」

「はい!」

 

 俺の言葉に相沢は頷いてきた。


 

 

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