第3話  出発!そしてロッジへ

ここはパフィン邸、うみべの小さな小屋だ。

早朝からジャパリまんで朝食をとる3人のフレンズがいた。

今日は新拠点を求めてロッジに向かうことになっている。

ロッジまでは結構距離があって歩いて半日くらいかかる。


「そろそろ行こうか?みんな」


「パフィンちゃんは準備万端で~す」

「こっちもオッケーだよ、行こうか」


なんかワクワクするなぁ、秘密基地かぁ...

なに置こうかなぁ...

そう考えてたらワクワクしてきた。

パフィンのドキドキ大冒険のはじまりだ。


――――――数分後――――――


パフィン邸を出てしばらくすると見慣れない物体に遭遇した、3人が通る道のど真ん中にあるソレは黒くて丸みを帯びている。

次の瞬間、黒い物体が振動を始める

(ンゴゴゴゴゴゴゴゴ........)


「これって、もしかして」

「どう見てもアレ以外ないじゃないか」


『どおおおおおおおおおおおおおおんんんんんn!』

轟音と共に黒い物体は大きく飛び上がった、そして....


『どかあああん!』

着地の衝撃で土埃が舞う。

土埃が薄くなり徐々にそれの正体が見えてきた。

黒い球体に大きい一つの目...これは...


「セ、セルリアンでーす!」

「勘弁してよ、しかも結構大きいじゃん」


最近見ないから油断していた。この間通った時はいなかったんだけどな....

しかも大きい、すでに何人か食べられてるかもしれない。

これ以上被害が広がると良くない。なら、やることはひとつ。


「やるしかないようだねぇ、久々に暴れることにしようか」

「オオカミさん、私は後ろに回るよ」


「【削除済】ね!」「くらえ!」


このセルリアン、動きが鈍いらしい。二人の渾身の一撃がへしを正確にとらえる。


「ぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁーっ!」


ひも状の触手を伸ばし二人を蹴散らすセルリアン

へしを見ると少し傷がついている程度、あまり効いてないようだ。


「見てください!硬質化してる!」


セルリアンは危機が迫るとへしにバリアを張る。

普通に攻撃したんじゃバリアを壊せない。

さらに、触手も出してるから迂闊に近づくこともできない。

素早く一撃で倒さないと。


「上から攻撃するのでーす、二人はセルリアンを引きつけといて欲しいです」


「「了解」」


パフィンは上空に向かって羽ばたいた。それと同時にタイリクオオカミとエトピリカはセルリアンに向かって拾ったものを手当たり次第に投げつける。


すると、セルリアンは攻撃を止め二人が投げた石や木の枝を弾き始めた。

セルリアンには飛んでくる物体を優先して叩き落す性質があるのだ。


「よ~し、この辺からなら倒せる!」この高さからなら急降下して蹴りを入れるだけでセルリアンに致命傷を与えることができる。さらに野生開放をすれば....


パフィンは猛スピードで急降下する。

二人が引き付けてくれているおかげでセルリアンの弱点は丸見えだ。


「野生開放!パフィンダイブ!」


<パッカーン!>


その蹴りはバリアを貫通し、へしまで粉砕。

セルリアンは生命活動を停止、死んだのだ。


「二人ともナイスで~す、うまく決まったよ」

「ふぅ、これで一安心だね」

「そうだね、ここで倒せて良かった」


「にしても相変わらずの威力だね、ハンターになれるんじゃない?」

「そんな、照れちゃいますよ~」


そんな会話をして再びけもの道を歩きはじめる。


――――――さらに20分くらい――――――

「みんな!上からくるよ気を付けて」


「うわっ!」「で~す!?」


なんかこう、フレンズサイズの何かが頭上を横切った。

急な襲撃...助手....猛禽類のフレンズかな?


「ハヤブサだ。さっきはすまなかった」

「急降下の練習をしていたら勢い余ってしまった,,,,」


速さ世界一、ハヤブサのフレンズだ。

最近はしんりんちほーが気に入ってるみたいで、ものすごいスピードで急降下するのをよく見るよ。いつかあんな風に飛んでみたいな。


「そんな謝ることないよ、地面と激突しなくてよかったよ」

「ハヤブサ、ケガしないようにね」


「ああ、じゃあ私はこの辺で」

<バサッ!>


あっという間に飛び去って行った。また、急降下の練習するつもりなのかな?

もう少し見てたい気持ちもあるけど今はロッジに向かわないとね。


―――――――――――――――歩く―――――――――――――――――

けものみちの横に赤い傘に白いぶつぶつのあるキノコが生えていた。

綺麗なキノコは食べれるって言うし、おいしいのかな?


「このキノコおいしそうで~す」

「何食べようとしてんのパフィンちゃん!?明らかに怪しいよそのキノコ」


「おやおやおや?このキノコはいけそうだねぇ、赤いし」

「オオカミさんまで!?というかそれ、腹壊すやつだよ」


「なーんだ、食べれないんですか。がっかり...」

絶対食べれると思ったんだけどなぁ...


―――――――――――――――まだまだ歩く――――――――――――――

「ぬわああああん、お腹空いたもおおおん(パフィン)」

「実はわたしも...」


「しょうがないね、この辺に良い木陰があるんだけど休んでかない?」


昼休みの時間だ。やった。

今日の昼食はこれ、万能携帯食料”ジャパリまん”

ジャパリパークに伝わる伝統食で主にラッキービーストが工場で作ってるらしいね

色んな味があって、どれも驚くほどおいしい。

こんなものを作るヒトってほんとすごいね。


「ジャパリまんの話」「抜け毛の話」「魚の寄生虫の話」って感じで雑談をしながら昼食をとる三人。


「ん?こんな石ここにあったっけ?」


タイリクオオカミが何か見つけたようだ。

見つめる先には石で作られた家のような物体があった。

サイズは小型のセルリアン程、ヒト語?も書いてある。


この間通ったときにはこんなの無かった気がする....

誰かが置き忘れちゃったのかな?いや、こんな目立つもの置き忘れるわけないよね。

もしかして新手のセルリアン!?

そんなことを考えていると...


「それは祠だよ、ほら、イナリ神社にもあったでしょ?」


「あっ、思い出したよ。あの神様がどうたらって石だね」


イナリ神社は火山の麓にある神社(島唯一)だ。

オイナリサマ主催のイナリ豊穣祭に行った時だったっけ?


神社の片隅にある”石”が気になってオイナリサマに聞いてみたことがあった。

その日は確かタイリクオオカミとアミメキリンがいた記憶がある。


オイナリサマが言うにはこの石は”祠”と呼ばれるもので、

神様が祀られていたり悪さをするモノを封じ込めるために置いてあるのだそうだ。


「触ったりしないほうがいいかもね、変な封印が解けるかもしれないし」

「そうだね」

タイリクオオカミが便乗して言った.....


―――――――――――――――昼食終了――――――――――――――

「パフィンちゃん回復でーす」

「よし、行こうか」


それからは、もうめちゃくちゃに歩いた。

途中アリの大群に遭遇したり、坂の上から転がってくるオオセンザンコウにぶつかったり、森の預かり屋の”ドングリキツツキ”に遭遇したりした。


もう顔中土まみれ。向こうに着いたら真っ先に水浴びしたいね....


そして、ついにロッジに到着した。

片道6時間くらい、長く険しい道のりだった....


「アリツさんただいま~」

「おじゃましま~す」「おじゃまするでーす」


「あっ、おかえりさないませ~オオカミさん」

「って皆さん土まみれじゃないですか!」

「水浴びしてから部屋に入ってくださいね」


ついにロッジに着いた3人、果たして秘密基地にぴったりな部屋は見つかるのか!?

タイリク先生の漫画の進捗は!?


~次回へ続く~



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