第3話男? 女? 関係ないね

あの日以降、トラウマを持った。

集団の敵とは戦いたくない。

ゴブリンはもう嫌だ。

だから今回は一体で行動するモンスターと戦うことにした。弱いモンスターで一体行動はいないから、ある程度強いモンスターと戦うことになる。

国に何かおすすめのモンスターはいないか聞くと、ファンタジー小説で大人気のオークの依頼書を渡された。……同人誌の方が人気かな?

「マスクはいらないよ、お金も余裕があるわけじゃないし、匂いなら耐えられるって」

武器屋のおっさんに装備の手入れをお願いしに行き、ついでにオークと戦うために用意した方が良いものはないかを聞くと、第一にマスクが上がってきた。俺は大げさだなと思い、マスクを買わなかった事を、後悔することになった。

「あれがオークか……同人誌だと女性が散々犯されたりするけど、俺は男だし、そういった心配はないよな。あとは純粋に俺がオークに勝てるかどうかだな」

依頼書に書いてあるオークの生息場所へと向かうと、一体で行動するオークを見つける。奇襲するタイミングを伺うためギリギリまで近くにより、茂みに隠れる。

(くっさ! 臭すぎる! 日本にいたころ嗅いだティッシュの詰まったゴミ箱みたいな匂いしてる、しかも何倍も濃い。やばい、吐くかもしれない)

武器屋のおっさんが進めた理由が分かった。確かにここまで臭ければマスクは必須だろう。臭すぎるその匂いに、段々意識が遠のいていった俺は、気絶寸前の所で目を覚ます。

(このままじゃバトルが始める前に負けるっ! もう行くしかない!)

腰にあるダガーを抜くとこの世界に来てから鍛えられた瞬足で一気にオークの首に手が届くまで近づいた。流石に走った音に気が付いたオークは俺の方を振り返る。そして、俺はオークのあるものを見て膝から崩れ落ち手を地面につけた。

(オークってあんなにデカいの……? それに比べて俺のは……同人誌で女騎士が負ける気持ちが分かった気がする……)

オークは腰に藁の様なもので作った服を纏っていたが、そおこからはみ出るほどの大きさの何かがオークにはあった。

絶望に四つん這いになっていると、オークに片手を掴まれ逃げられないようにされた。

すると腰からはみ出ていた何かは段々と、大きく…………

え?

「いやいやいやいや! 俺男だけど!? お前には勝てないけど立派な息子が付いてる男だけど!?」

俺が叫びながら説得するも、興奮で息を荒くするオークを見て分かった。

オークはモンスター欲望に忠実な野生の生き物。気持ちよくなることに雄雌は関係ないんだ。だから、穴があれば何でもいい。この世界でもオークの被害者は女性が多いと言うが、偶然なんだ。この世界の人間は強い、男性にあったオークはきっと、全員負けて殺されてる。女性とあったオークだけが、何体か生き残ってるんだ。

でも、俺はこの世界の人間じゃないから、男だけど弱い。

弱いからオークを殺せないんだ。

オークを殺せないから……

「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ! 離して離して離してぇぇぇぇぇ! そんな事なら死んだ方が、嫌いっそ殺せぇぇぇえぇえx! くっころだよくっころ! もう駄目えぇぇぇっぇ! 日本にがべりだぁぁぁぁぁぃ!」


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