　偽教授画題杯参加作。グランプリ受賞作品。

【ごくごく簡単なあらすじ】

　かつて主人公に告白してきた美少年の息子に振り回されるお話。

【雑記】

　二度と取り戻すことの叶わないものへの後悔のお話です。友人の心に爪痕を残す美少年いいな……私であったならば絶対に告白を断ったりなどしなかったろうに……

　お題を解くのが中々難しくて云々唸ってたんですけど三解脱門に関しては「待ち合わせ場所にする」っていう案が浮かんできて、それならいつものようにボーイズラブ物を書こうと思い立ちました。雪の方も「寒さに耐え忍びながら相手を待ち続ける」みたいなシチュエーションを作れて良い感じに調味料になったかなと思います。東京タワーを掴む手は正直三解脱門以上に難しかったですが「男子中学生がふざけて撮った写真ということにすればいいんじゃないか？」と思いつきました。我ながら気に入っています。

　今回は現代劇なのですが割と中国史・中国文学ネタがよく出てきます。白居易の長恨歌、蘇軾の佳人薄命詩、陶淵明、そして尾生の信の逸話など……尾生の信はいつか何処かで挿入しようと思っていてメモしておいた逸話なのでこれを使えて満足でした。

　葵くんの息子は完全に正体不明な感じ（もしかしたら主人公の妄想の通り葵が乗り移って復讐に来たのかも……）なんですけどその辺はご想像にお任せします。

【終わりに】

　今まで自主企画にはいくつか参加してきましたが賞に引っかかることはなかった（ヒューマナイズ・ラブロマンスに票が入ったことはありました）私ですが、今回初めてグランプリに選出されて嬉しかったです。これからも精進してまいります。