ヒューマナイズ・ラブロマンス

 第(+)一回偽物川小説大賞の二作目。

【ごくごく簡単なあらすじ】

 路地裏で見つけた損傷したロボットによく似た転校生の美少年滝川玄冬たきがわげんとに、主人公の少年本条薫ほんじょうかおるが告白するお話。

【雑記】

 今まででトップクラスに気に入ってる作品でありながら非常に難産でもあった作品でもあります。難産といっても原因はポケモンなのですが。偽物川大賞の起源が年末いっぱいかと思ってたらクリスマスまでだったのに気づいて焦りました。駆け込みですみません。

 テーマとしては寧ろ被造物小説賞に向いてたかな?と思います。それでいて割とガッツリ少年同士の性描写があるのですが、玄冬くんが良い感じにエロく書けたのと薫くんに無知ヘタレ攻め感を出せたので満足です。主導権握る受けと誘導される攻めって構図滅茶苦茶好きなんですよね。

 本来であればショタを成長させるのは禁忌なので未来のことは書かないのですがこの話の場合はどうしても彼らのその後を書きたかったので書きました。最後に日の当たる部屋で玄冬が年老いた薫の手を握るシーンは書いてる自分でもちょっと涙腺が緩んでしまいます。自分の考えうるエモの塊を込めました。

 玄冬の名前の由来は恒例(?)の中国ネタになっています。中国の陰陽五行説では春は木、夏は火、秋は金、冬は水に相当し(因みに土用丑の日の土用は五行の土から来ている)、木は青が当てられるので春は青春、火には朱が当てられるので夏は朱夏、金には白が当てられるので秋は白秋、水には黒(=玄)が当てられるので冬は玄冬と呼ばれるわけです。「青春」という言葉や、作家の北原白秋の白秋なんかはこれに由来しているのですね。因みに季節だけではなく方角にも陰陽五行が当てられ、北は玄、南は朱、東が青、西が白、中央が黄となります。玄武・朱雀・青龍・白虎はここから来ています。

 因みに作中に登場するカードゲームに出てくる「帝江」というのは紀元前中国の地理書である「山海経せんがいきょう」に登場する幻獣です。「奇絵画」に登場する獣たちと出典を同じくしています。

【終わりに】

 普段賞には縁もゆかりもない私ですがこの作品には(賞こそ逃しましたが)票が入っているのを見て思わず小躍りしてしまいました。脳汁がどばどば出てきて危なかったです。自分の作品が評価される快感って凄まじいものがありますね。最終日の締め切りギリギリに出してすみませんでした。

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