　第一回きつね被造物小説賞参加作の一作目。現在アップロードしているのは改訂版です。

【ごくごく簡単なあらすじ】

　ショタコンの男性呉明（くれあきら）が美少年セクサロイドの蘭丸と性行為を行う話。

【雑記】

　人生で初めて公開停止というものを食らった記念すべき（？）作品。正直びっくり仰天しました。こんなことってあるんだな……。

　あと自主企画で一番槍を取れた初めての作品でもあります。初っ端から美少年セクサロイドの話をぶっこむ非道な行いに恐怖した方も少なくなかったろうと思います（暗黒微笑）。被造物というものを考えてみた時に最初に思いついたのがこれでした。やはり心が汚れている（確信）

　今回は久しぶりに過去が舞台ではない作品だったのですがやっぱり中国ネタを挟むのをやめられず白楽天の長恨歌を引用させてしまいました。正直亀公丸や張岱と違ってその辺の男性がいきなり長恨歌を引用するのは「ガメラ2レギオン襲来」で自衛隊員が聖書を引用するぐらい唐突すぎないか？と思いましたが後悔はしていません。ラストシーンで「天に在りては願わくは比翼（ひよく）の鳥と作り　地に在りては願わくは連理（れんり）の枝と為らんと　天長く地久しきも時有りて尽きん　此（こ）の恨み　綿綿（めんめん）として尽くる期無からん」と詠んで思慕の念を吐露させたのは個人的に気に入ってます。詩句の意味は「天にあっては（私は貴方と）比翼の鳥となり、地にあっては連理の枝となりたい。天は長久、地は悠久とは言っても、何時かは果てる時が来る。けれども、私のこの悲しみだけは、連綿と続いて絶えることはないであろう」というものです。比翼鳥と連理の枝は比翼連理という成語で有名な和合の象徴ですね。私自身長恨歌が大好きで、読むと思わず涙が出てしまう程です。なので、離別の悲しみを表現するのに、長恨歌を引用させてみました。

【終わりに】

　被造物小説賞の参加作なのですが、講評の方で、「ショタの描写も質感がサイコーだ……。蘭丸って名前から間違いなく衆道的なんですよ。そりゃ信長も骨抜きになるわ。ショタの魅力をありありと描いてて、めちゃくちゃ良かったです」とのお言葉を賜ってにやりとしました(笑)

　これを書いた後のことなのですが、きだた郎さんというコメディとエモーショナルに定評のあるBL同人作家の方のノベルゲー「つくも神に教えて」というものをプレイしました。セクサロイドのショタが人間のショタと出会って性行為を行うという被造物賞のテーマにまさにドンピシャな内容だったのですが、これが本当に良い話で深夜に一人読みながら号泣してしまいました。これをプレイする前に書き上げていなかったら機械仕掛けの慕情はアップしていなかったかも知れません。後にきだた郎さんが機械仕掛けの慕情に言及してくださったのが嬉しかったし励みになりました。