お清と亀公丸
芦花公園ホラー賞参加作。清姫安珍伝説を江戸怪談風にリメイクしたもの。
【ごくごく簡単なあらすじ】
漢学者の養子の美少年が町一番の美人に惚れられた結果恐ろしい目に遭う話。
【雑記】
私にしては珍しく美少年が死んでしまう話です。普段は死なせるの可哀想に思ってしまうので……。清姫安珍伝説を典拠にしようとした時点で亀公丸くんの死は不可避なのですが。
亀公丸くんが養父に漢籍を叩きこまれているという設定は中国史や漢詩の引用を無理なく行わせるためなのですが、これによって江戸時代っぽさが出たかなとも思っています(江戸時代は漢学全盛期かつ娯楽の世界でも中国文学が人気だったので)。
お読みいただいた方にも言及してもらえたのですが亀公丸くんと左慈助くんの友情は個人的に書いていてかなり楽しかったです。左慈助のキャラは魯迅の「故郷」(中学生の教科書に出てくるあの話)のルントウのイメージが多分に入っているのですが、一方的に亀公丸が左慈助を思慕しているのではなくお互いにないものを補い合うような関係がとても麗しくて好きです。まぁ、結局は二人とも亡くなってしまうのですが……。
本筋に関わる女性キャラって私の書いてるものにはあまり登場しないのですが、お清は元ネタに相応しい危険な人物に仕上がったと思っています。
【終わりに】
ホラー賞ということもあって「怖いものを書こう!」と意気込んだのですが、怖いかどうかはあまり自信がないです。少なくとも読んだ人が「今夜自分の所に出そうで眠れない」みたいな気分になるようなものではないですし……。でも講評では概ね良い評価を下さって励みになりました。「美少年」というものを殆どの作品で扱っているので下品な文章にはしたくないなと常に思っていて、故に文章力を褒められると脳汁がドバドバ出てしまいます(笑)
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