皺がある5ページ目
「そなたは、わしの話を聞いてくれたな」
王様は話し終えて、こちらを見た。
「わしの命令をよくぞ果たした」
王様は、初めて表情を浮かべた。笑顔だった。なぜだか、王様は満足したのだと思った。
「語り部よ。紡ぐのだ」
何を。そう疑問に思う間もなく、王様の体が段々と薄くなっていく。
やがて、消えてしまったのだった。
視界には、血に濡れる地面と女性の頭が転がっていた。
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