新たな彼女 どっちを選ぶ?

第19話 やはり仕返しとはされるものだ

「す、すみません…… 神野


「う〜ん…… まずは内気なところを直さないとね」


私、神野亜美は今仕事上の関係でカフェにいる。


「わ、私。どうしたらいいんでしょう?」


「いっそ仕事変えちゃうとか?」


「え、え〜⁉︎ そ、それはちょっと……」


「ふふふ。冗談だよ〜」


この子は中々内気な子だ。中身はいいんだけどね。名前だって「莉愛」っていう可愛い名前だし。


「莉愛ちゃんは自分で思ってるより可愛いんだよ? もっと自信をもって!」


「やはり苦手です。先輩が羨ましいです」


「い、いやぁ〜 私だって意外と……」


この前のデートのことを思い出す……


「そうですか? 先輩はなんか恋愛とか得意そうですけど?」


「ふふふ。私だって苦手なものはあるの」


勇太の前ではあれだけテンパってしまう。それが証拠なんだけどなぁ。


「ど、どうしたらいいでしょうか?」


「どうしようかなぁ………」


この仕事をする以上、男に慣れさせないとだめかなぁ? いい人ねぇ………


「あっ! そうだ! ちょっと来て!」


「へ? ど、どこへ………?」


◾️◆◇


「無理だ!」


「これくらいしなさいよ! 弱虫ね!」


「いや。無理だよ! ちょっと無茶だろ」


「お願い! この間デート行ってあげたでしょ?」


(もう〜 私ったら何言っちゃってんの⁉︎ 私だって勇太に会いたいから来たのに〜!」


「あ、あの…… 先輩? も、もういいですよ」


「だ〜め! 仕事なんだから!」


「い、いや。だから無理だって……」


土曜日の昼頃。俺は今日こそ勉強しようと集中してた矢先にインターホンが鳴った。こんな時に誰かと思えば神野だった。はぁ〜 今日も可愛いなぁ💕なんてことを思っていたら無茶なお願いしてきやがった。仕方なくなんてよく言うよ。めっちゃ楽しんでたくせに。


「ふん💢 この意地っ張り!」


「はぁ? この押し付け!」


「よ〜し! こうなったら……」


神野がスマホに飛びついて電話し出した。何するつもりだ?


「はい。こちら彼氏募集アルバイト会社です。どうされましたか?」


「今から1時間後に山野莉愛と天野勇太。デート! 緊急で!」


「き、緊急ですか……? か、かしこまりました」


電話が切れた。


「お、おいこら💢! 何してくれるんだ💢!」


「ふん💢! この前の仕返しよ!」


「く、くっそ〜 俺の休日ライフが……」


中々な倍返しをくらってしまった。


「す、すみません🙏…… 私なんかのために……」


「い、いや。君は悪くないよ」


「あ〜あ。私にもそんなに優しくしてくれたらなぁ〜 だからあなたは……」


「何言ってるんですか。先輩はいつも天野さんのことベタ褒めじゃないですか?」


「へ?」


「そ、そ、そんなわけないでしょ! ほ、ほら。私たち、もう行くから!」


そそくさと出て行った。ほんとに何なんだ?


「ってそれより早く準備しなきゃいけねえな」


◾️◆◇


「もう〜 莉愛ちゃんはない言い出すかと思えば………」


「だっていつもベタ褒めじゃないですか。あの人が先輩の彼氏ですか? 私がデートしてもいいんですか?


「ち、ち、違うわよ。あいつはそんなんじゃないから。仕事上の関係よ! あんなやつ。もらえるならもらっちゃって!」


「そ、そうですか………」


「ほら! 1時間後なんだから! 準備!」


「は、はい。それでは……」


「うん! 頑張ってね!」


莉愛ちゃんは良い子だから大丈夫。そう思いながら別れた。


◾️◆◇


「はぁ〜 1時間後。2人でデートしてるのか」


神野は1人で呟いていた。


「私だってもっと勇太と一緒にいたいのに…… なんであんな言い方しちゃうんだろ?」


やっぱり勇太いると緊張しちゃってあんな言い方になっちゃうなぁ。


「う〜 もし勇太と莉愛ちゃんが………」


【「勇太くん❤️!」「莉愛❤️ 君って子はほんとに❣️」】


「いやぁ〜! そんなのいやだ〜!」


あの2人があんなことやそんなことしてるのを妄想したら……


「って何考えてんの私! あの勇太。勇太だよ! 大丈夫なはず……」













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