第12話 キャラがつかめないのは俺だけなのだろうか
「うおっ⁉︎ すっげえ!」
このジェットコースターは思ったよりかなりすごい。しかも景色がすげえきれいだ。
そして肝心の神野はというと・・・
「キャー‼︎」
叫びまくっている。しかも俺の手を握りしめてだ。
「ちょ・・・ 手、握りすぎじゃねえか?」
「も、もうちょっとだけ❤️・・・ べ、別に怖いってわけじゃないわよ? キャー‼︎」
もう無茶苦茶だ。てか俺の頭の中も無茶苦茶だ。手を握られただけで身体が反応しちまうしよ。
「ははは。もうすぐ落ちるぞ〜!」
「ひぇ〜 もうやだやだ〜! キャー‼︎」
■◆◇
「ふぅ〜 すげかったな。これ。」
このジェットコースターはまさしく本物だ。そこらの底辺レベルのものじゃねえな。
「ま、まあまあだったわね。別に怖くなかったけどね・・・」
「・・・・・」
なぜこうも素直になれないのか。そうしたらもっと可愛いのに。現に今、すでに倒れそうになってるじゃないか。
「ちょ、ちょっと休まない?」
「・・・まあいいんじゃねえか」
今は10時ごろだ。少し軽食をとってもいいかもしれない。
「う〜ん・・・ この店なんかどうだ?」
「いや。高いでしょ!もう少し人のことを考えなさいよ。まったくあなたは・・・ もっと女子の心を考えないとまた振られるわよ?」
胸にチクチク刺さる。さっきまでの優しさとノリはどうしたんだよ? やっぱりこいつはキャラがつかめねえ。
「じゃ、じゃあ俺が奢ろうか・・・?」
まあ無理を言ってるんだし。これくらいはしてやらねえとフェアじゃねえだろ。騎士道精神っつうやつだな。
「え⁉︎ ほんと⁉︎ やった〜! さすが勇太❣️ よし! 食べまくるわよ〜!」
「・・・・・」
やっぱこいつわかんねえ・・・!
■◆◇
「え〜っと・・・ これと・・・ あれと・・・ あっ! それも美味しそう❤️〜! 迷っちゃうなぁ」
「ちょっとは遠慮してほしいんだが・・・」
「何言ってるの〜! 奢ってくれるんだったら食べなきゃ損でしょ!」
店に入ったとたんに美味しそうな香りがした。改めてメニューを見てみると、ここのやつはとにかく高え。
「おいおい。こりゃあ一応仕事だろ?」
あれだけ仕事仕事と言ってたわりには結構楽しんでるような気がするけど・・・
「わ、わかってるわよ・・・ でなきゃあなたとデートするわけないでしょ?」
「だ、だよな・・・」
そこまで言えとは言ってないんだが・・・ 俺は俺で結構楽しみにしてたんだけどなぁ。
(実は楽しみにしてたなんて・・・ 言えるわけないじゃない!)
昨日。神野亜美の部屋では・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます