第11話 遊園地でキャラが変わるというのは本当だろうか?

「ま、マジで⁉︎」


「な、何回も言わせないで・・・」


な、何が起こった⁉︎ てかどういう風の吹き回しだ? 神野亜美が俺と周りたいだと? ああ神様。これは夢ではなかろうか。


「べ、別にデートしたいわけじゃないからね? ちょ、ちょっと気になっただけなんだからね? それにこれは仕事の一環なんだからね?」


「わ、わかってるよ・・・」


この素直になれないところが神野らしくて可愛い💕 こんなデート、一生に一度だけだ。思いっきり楽しんでやるぜ。


「よし! 亜美! ジェットコースター乗ろう!」


「ひぇ⁉︎ い、いきなり⁉︎」


■◆◇


ジェットコースターの前に来たのだが・・・


「ほ、他のにしない?」


「せっかくだ! これに乗ろう! もしかして怖いのか?」


「そ、そんなわけないでしょ! ジェットコースターが怖いなんてそんな子供な・・・」


明らかに足がすくんでいるようにみえるんだが・・・


「・・・・・」


「・・・悪かったわよ。そうよ。怖いのよ」


「ふ〜ん・・・ じゃあ乗るぞ!」


「ほぇ⁉︎ な、なんでこの展開で⁉︎」


俺はごちゃごちゃ言う亜美を乗り場まで引っ張っていった。


■◆◇


「こ、これ。落ちたりしない?」


亜美は出発する直前まで不服をたらしていた。


「大丈夫だ。しねえよ」


「私だけ吹っ飛んだりしない?」


「い、いや・・・ お前。どんなジェットコースター想像してんだよ」


「なんか崖から落ちるやつ・・・」


「い、いや。それはバンジージャンプだろ?」


「ああ。そうか。てへ❤️」


この遊園地はキャラが変わるのか? 神野が大人しいと逆に怖いんですけど。


「大丈夫だ! 俺が守ってやる!」


ふぅ〜 1度こんなセリフを言ってみたかった。今までここにすらたどり着かなかったからな。


「はぁ〜 なんかダサい。怖くなくなったわ」


「・・・・・」


どうやら神野の場合、キャラが変わるのは一瞬らしい。いつもの毒舌に俺は胸が痛い。


ジェットコースターが動き出した。


「でもね・・・」


神野が口を開く。


「ほんのちょっと、ちょっとだけカッコよかったよ❤️?」


「へ?」


神野が俺の手を握る。


ジェットコースターは俺の気持ちをおいて、スピードを上げていった。



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