第10話 個性的な彼女はやはり苦手
「ここがかの有名な恋人の遊園地だ!」
武に連れてこられた遊園地は他のところとさほど変わりはなかった。どこが恋人専用なのか? そんなに危険は無さそうだな。
「ところでお前の彼女は?」
見たところ誰もいないが。
「もうすぐ来るぜ! 俺の彼女。可愛いけど個性強めだからよろしくな!」
「は? どゆこと?」
その頃、遊園地のがやがやした中で一際注目を集めているところがあった。
「うぉ〜! めっちゃ可愛いじゃん!」
「やべえ。ありゃあ上玉だ!」
その中央にはまさに美少女という高校生がいた。スタイル抜群。顔つきも優しそうという、神レベルだ。
「ちょ〜 武く〜ん! どこ〜?」
その子はひたすら叫んでいた。
「おいおい。武ってどこのどいつだ💢?」
「こんな可愛い子をほったらかしてどういうつもりだ💢?」
「武く〜ん!」
その子は周りなどお構いなしに叫びまくっている。まさにKYってやつだ。そしてその声は俺たちにも届く。
「ちょ・・・ 武? 呼ばれてるけど・・・」
「あっ! 麗花ちゃん! ここだよ〜!」
くっそ〜 こいつまで彼女の前ではキャラ変わりやがる。いつものノリはどこいったんだ?
「武く〜ん! 寂しかったよ❤️〜!」
「俺も俺も〜! 会いたかったぜ〜! ベイビー!」
俺と神野は黙って見ていた。
ほんとに・・・ お前誰だよ・・・
◾️◆◇
「紹介しま〜す! 俺の彼女! 川谷麗花ちゃんで〜す!」
「麗花で〜す! よろしくで〜す! いつも私の可愛い武が世話になってま〜す💕」
「ど、どうも・・・ 天野です」
「こんにちは・・・ 神野です」
俺たちは反応に困った。
「な? 可愛いけど個性的だろ?」
「・・・・・」
い、いや。それはお前もだと言いたいのだが。まさにバカップルの象徴だな。
「ほら〜! 武く〜ん! 早く行くよ❤️!」
「OK! じゃあ勇太。後でまた待ち合わせってことで! 待ってよ〜! 麗花ちゃ〜ん!」
「・・・・・」
2人とも走って行ってしまった。なんなんだあいつらは。俺たちはこんなことについて来たのか?
「はぁ〜 ごめんな神野🙏・・・ もう帰るか?」
もう呆れられても仕方ない状況。あんなに頼んだのに・・・
「・・・・・」
やっぱり怒ってる。そりゃあそうだよな。無理やり仕事としてついて来させて。
「よし! 帰る・・・」
「わ、私・・・ 恋人遊園地。勇太と周りたいかも❤️・・・」
え⁉︎ なんすか⁉︎ その反応は・・・
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