第113話 運命の出会い
ガチャスタート!
え?! ええええええ!!
スキル『魔王』を獲得した。
魔王: MP10%UP、魔法攻撃力UP、魔法防御力UP、魔法効果UP、
属性魔法耐性UP、MP回復速度UP、MP回復量UP、魔法消費量半減、
即死魔法無効、魔法効果範囲拡大、多重発動、無詠唱
討伐対象になってしまったかと思って焦った。
魔族の王ではなく、魔法の王で職業スキルの一種だった。
あらゆる魔法に対するステータス、スキルが大幅に向上するスキルであった。
みんなにコピーしてあげようと思う。
今日は、ミクに冒険者学校の案内をすることになっている。
前回シルバーに来た時は直接地下ダンジョンに向かったので外には連れ出していなかった。
今回は町も案内してあげようと思っている。
シルバーの自宅の玄関を出ると孤児院の子たちが庭の手入れをしてくれていた。
元気よく挨拶をしてくれ、健康状態も良好なようで安心した。
双子の聖女マリンとマリアが居たので声をかけた。
「マリン、マリア、教会の運営の方は問題無いか?」
「はい、順調でございます。治療院の方は生徒さんが手伝いに来てくれることもあり以前より対応が楽になりました。寄付の方もたくさん頂けているので運営の方も問題ございません。」
「それは良かった。卒業生で治療院で働きたいものが居た場合には雇っても構わないからな。今後もよろしく頼む。」
ミクを紹介して、回復魔法をミクにかけてもらった。
それによりミクは全ての回復魔法を習得した。
その後、冒険者学校に向かった。
まずは校長と教頭に会いに校長室に行く。
「マーガレット様、ご無沙汰しております。学校の方はいかがですか?」
「あら、随分と他人行儀じゃないの。お母さまで結構よ。学校の方は生徒も増え充実しておりますよ。全く問題はございません。卒業生も活躍しているようです。強いて言えば、その卒業生から学校のダンジョンを使わせてほしいとお願いされることがあり、断っていることくらいですね。」
「シルバーを拠点にしている冒険者には狩場が少ないのかな? 卒業生が増えれば混み合うだろうし。そのような冒険者には私の町に拠点を移すように伝えてください。魔の森も近いですし、ダンジョンもありますので。もうじき、もう一つダンジョンを作る予定もありますので。」
「わかりました。冒険者が町から流出するのは痛いですが、増えすぎて失業者が出ては困りますのでそのようにいたします。」
シオンとマリアンがニコニコしながら見ている。
2人ともかなりお腹が大きくなってきた。
マーガレットはシオンのお腹を撫でながら早く孫の顔が見たいと微笑んでいた。
ちなみにルビーはお城でお留守番らしい。
ミクを3人に紹介し、校長室を後にした。
教室を覗くと驚くほど真面目に授業を受けていた。
おしゃべりしたり、寝ているような生徒は一人もいなかった。
みんな人生がかかっているので必死なのだそうだ。
訓練場に向かうと気合の入った声と剣と剣がぶつかり合う音が響いていた。
こちらでも全員必死に技術を学んでいた。
隣の訓練場では案山子に向かって魔法の練習を行っていた。
それにしても詠唱が長い。
厨二病の血が騒ぐようなかっこいいセリフ続くのだが、魔物はそんなに待ってくれないよ?
その中に一人、隅っこでうずくまった生徒が居た。
魔力欠乏症になり、青い顔をした少女を見たミクは運命を感じた。
「スカイさん。私、決めました! あの子をプロデュースしたい!!」
ミクはあの子に何かを感じたらしく彼女とお話がしたいというので、少女を呼びMP回復薬を飲ませた。
彼女が落ち着いたところで学校の応接室に向かった。
とりあえず、その美少女を鑑定と。
*ステータス
名前: リン(ハイエルフ)
性別: 女
年齢: 14歳
レベル: 1
スキル
精霊魔法、光魔法
ユニークスキル
なし
特に珍しいスキルを持っているわけでもなく、普通の美少女だった。
ハイエルフではあるが、MPが少なく、すぐに魔力欠乏症になるそうだ。
マリアンからの情報では、奴隷商から救った孤児の少女で、真面目ではあるが結果が伴わず悩んでいるそうだ。
「突然ごめんな。ここにいるミクが君と話がしたいそうなんだ。」
「はい、私のような落ちこぼれに御用ですか? まさか! 退学ですか。。。」
「いや、そうじゃない。それでミク、話してあげてくれ。」
「私、あなたをプロデュースしたいの!」
「プロデュース? って何ですか?」
「あなたをアイドルデビューさせます!」
「アイドル? デビュー? え? この方は何を言っているのでしょうか?」
ミクは興奮しすぎて説明ができなくなっていた。
ミクは、リンをアイドルにしたいらしい。
最初はご当地アイドル風にして、ブルームーンのキャンペーンガール的な位置づけからスタートするそうだ。
確かにエルフなので美少女ではあるが、ミクは彼女に何を見たのであろうか。
本当にやりたいことが見つかったみたいなので良かったかな。
リンには申し訳ないが。
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