第84話 味噌、醤油、酒
妻たちのお腹に命が宿ったようだ。
さすが女神の加護『子孫繁栄』だ。
しばらく旅やダンジョン攻略は控えることにし、生産や町作りに力を注ぐことにした。
まずは味噌、醤油かな。
とりあえず、材料の確保だ。
ダンジョン管理人代行のメルモに大豆の大量生産をお願いした。
『検索』を使って日本のネットにアクセスし、製造方法を入手した。
え? 麹? この世界には麹菌っているのかしら?
カズマに聞いておけばよかったと若干の後悔したが、俺にはティアがいるので問題無し。
もちろんこっちの世界にも菌はいるらしい。
ただし、有用な麹菌だけを選別する技術はなく、雑菌だらけなそうなので『アイテム召喚』で入手することにした。
菌を入手できることがわかったので、同様に味噌、酒、ヨーグルト、納豆も作ってみることにした。
魔法の世界なので発酵時間も時魔法で加速することができる。
なんとすばらしい。何か月も何年もかかる発酵時間があっという間に!
酒は、日本酒、ワイン、シャンペン、ビールにウィスキーを作ってみた。
この国には飲めないことはないというレベルのワインと不味いビールがあった。
しかも、常温なのだ。
この酒たちを世の中に出したら大変なことになるだろう。
なので王族の皆さんに試飲をお願いした。
シルバー&ゴールドの成人した王族たちを家に招き、試飲会を開催した。
二人の王ともにこれはダメだと。
奪い合いになるから販売禁止と言われた。
したがって、俺は家族のみで楽しむことにすると宣言した。
すると、シルバー王は第3王女のシオンと第4王女のマリアンを嫁に出すと言ってきた。
これで家族になるだから俺には酒をよこせということらしい。
未婚の子供はもう王子しかいないゴールド王は悔しがっていた。
ジャスミンを通じてまあ遠い親戚にはなるだろうからゴールド王にも売ってあげることにした。
シルバー王はウィスキーが、ゴールド王はシャンペンが気に入ったそうだ。
その後は醤油、味噌ができたので和食を中心とした料理を振る舞った。
サクラが大活躍である。
一応、メリーナにも酒などができたことを報告した。
わらわも飲みたいのじゃとうるさい。
もしかしてと思って教会の女神像にお供えしたところ、メリーナの前にお供えが現れたらしい。
めちゃめちゃ喜んでいたが、あれもこれもお供えしろとうるさくなった。
試してみてちょっと後悔した。
だが、菌がいるということ食中毒や病気もあるだろう。
転移してから一度も病気になっていないことに気付いてメリーナに感謝した。
加護の隠れスキルに健康体というスキルがあり、病気になりにくくなっているそうだ。
両王ともに酔いつぶれてしまったので今日は我が家に泊まって行くことになった。
そして、我が家の快適さを知ってしまい、家族が入り浸ってしまったことを納得したらしい。
料理はうまい、温泉はある、ベットはフカフカ、室温は常に快適、トイレは清潔、王のくせにズルいと言い出した。
うちの城もリフォームしてくれと言い出したが却下した。
朝飯と朝風呂を済ませたあとで公務もあるだろうから王たちを無理やり追い返した。
次は何を作ろうかなと検討中である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます