第75話 やっと旅の始まり

今日はゴールド王のところに旅に出る報告に行った。

旅に出る前に困っていることが無いか確認にきたのだ。

すると隣にいた第2王子の具合が悪そうにしていた。断りを入れてから診察してみた。王子には生まれつき心臓が弱いようだ。ティアに確認したところ、ティアがフォローすることでパーフェクトヒールであれば治せるという。王に治して良いか確認し、パーフェクトヒールを王子にかけた。王子の胸あたりが輝き出して、収まると王子の顔色がみるみる良くなった。王と王子から感謝の言葉をもらった。俺を紹介したマリアンやジャスミンの立場も良くなることだろう。これで竜、トレント、オークキング、王子と4つの問題を解決してあげたことになった。

 まだどちらに向けて旅をするか決めていない。王にこの国で行っておいた方が良い場所はないか尋ねた。1つ目は大きな湖があるそうだ。魚が豊富であとシジミのような淡水の貝が取れる。2つ目は迷宮型のダンジョン。3つ目はエルフの森である。エルフの森に向かう途中に迷宮ダンジョンも湖もあるそうなのでエルフの森を目指すことにする。

 俺が離れるため、ゲートの扱いをどうするかジャスミンと話した。できればつなげておいてほしいというので魔道具の扉を作ることにした。扉にゲートを付与し、魔石の魔力でゲートを発動するようにした。常時発動しているとすぐに魔力が尽きてしまうのでドアノブを回すことで発動するようにした。魔石は充電池のようにたまに魔力を注げば半永久的に使えるようにした。


いよいよ新たな旅へ出発だ。全員に魔力の放出を極力抑えるようにしてもらった。それは魔物が一切襲ってこないからだ。あまりにも暇すぎる。ティアに周囲の警戒をお願いし、車内のリビングで寛いでいる。雑魚のゴブリンやウルフはリッカが走りながら片手間で狩ってアイテムボックスに放りこんでいる。

 突然馬車が停まった。慌てて外に出ると道を塞ぐように巨大なイノシシが眠っていた。全員が魔力を開放した瞬間、イノシシが立ち上がり戦闘態勢に入った。イノシシが突進してきたが、リッカとカリンが盾で防いだ。動きが止まったところでシルクが拘束し、シャナが目をつぶした。俺が氷鬼で切り付け凍らせた。邪魔なイノシシをインベントリに突っ込んで旅を再開した。

 ティアからもうちょっと行ったところにニワトリによく似た鳥の群れがいるという。テイムして家畜にすれば毎日新鮮な卵が食えるという。現場に着くまでにシルクに大きな網とカゴを作ってもらった。現場に到着すると10羽ほどの白鳥ぐらいはある純白の鳥が群れていた。威圧し動けなくしてからテイムをかけた。予想以上に大きかったため、せっかく準備してもらった網とカゴは役に立たなかった。威圧が効きすぎたのか絶対服従状態の鳥を引き連れて我が家の庭へ向かった。庭に大きな鳥小屋を作り、鳥たちにはそこで暮らしてもらうことにした。明日の朝からおっきな目玉焼きが食べられそうだ。孤児院の子供たちに世話をお願いして旅に戻った。さらに旅を進めるとやっと湖が見えてきた。今日はこの湖の畔で旅を中断する。

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