第76話 湖のヌシ
着いたときにはもう薄暗かったため気付かなかったが、対岸が霞むくらいに大きな湖だった。それに水がとても透き通っていてきれいだ。
マップを展開してみると数キロ先の湖岸に町があるようだ。町に向かってみることにした。
町はそれなりの大きさであった。ちゃんと冒険者ギルドがあったので情報を得ることにした。
湖にはここにしか生息していないワカサギのような淡水魚がいて、特産品になっているそうだ。ここはそのワカサギを獲る漁師の町だ。
それとシジミに似た貝も獲れるそうだが、前世とは違いコブシサイズの貝らしい。
ワカサギの天ぷらとシジミの味噌汁を思い出しよだれが垂れていた。
ギルドを出て露店を見てまわるとマスのような魚を塩焼きにして売っている店やウナギのようなものを串焼きにしてる店などワカサギ以外の魚も豊富に獲れるようだ。
早速、漁に出るため船着き場に行き、船に乗せてくれる漁師を探した。
すると、今日は無理だという。
漁場に魔物がいるらしい。
この湖にはヌシが居て、たまに現れ漁の邪魔をするそうだ。
漁師が犠牲になっているので姿を現したときは禁漁となる。
ギルドに戻り掲示板を見るとやはり討伐依頼が出ていた。
Aランクの依頼なので報酬も50金貨となかなか良い。
掲示板から引きはがし、受付処理をお願いした。
飛翔で現場まで飛んで、空からヌシを探した。
するとイルカのような巨大な魚型の魔物がジャンプして襲ってきた。
慌てて避けならライトニングを放った。
「キュイ!」と悲鳴を上げて湖に潜った。
再び勢いをつけてジャンプしてきたので今度は慌てずライトニングを当て、テレキネシスで水中に戻る前に空中に浮かせたまま止めた。
こうなればもう何もできなくなったヌシは、シャナとシルク、エルザにボコボコにされた。
トドメで剣を頭に突き刺し、インベントリに収納し、そのままギルドに報告をしに行った。
船上から攻撃するしかなく、水中からの攻撃は圧倒的にヌシが有利のためAランクになっていたのだろう。
報酬をもらったあと、船着き場に戻った。
漁師たちに感謝され、すぐに漁に出た漁師たちからお礼だと獲れたての魚や貝を大量に貰った。
ちなみにヌシからは跳躍、潜水というスキルを奪った。
目的の食材を入手したので旅に戻ることにした。
巨大シジミを味噌汁にしてみたところ、出汁はシジミで身はハマグリという感じの貝だった。
もちろん、俺とサクラのお気に入りの食材になった。
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