第8章 新たな旅へ

第70話 学校と孤児院の状況

不落のダンジョン、改め女神のダンジョンの攻略が終わったので今日はゆっくり休んでいる。久しぶりに学校を視察することにした。

生徒は20名の2クラスになっていた。武術クラスと魔術クラスに分けたそうだ。生徒の希望でどちらにも行けるようにしている。生徒を見ると生き生きと授業を受けているが、服がボロボロだったり、裸足だったりしていた。これはあかん! シルクを呼び、2人で服や靴を作ることにした。シルクには下着類とジャージ、上靴を任せた。俺は制服を担当する。男の子はブレザー、女の子はセーラー服にした。靴は革靴ではなく、スニーカーにした。午前中の授業がちょうど終了したので、今作った制服等を並ばせ渡した。そして、ジャージとスニーカーで校庭に集まるように指示した。


 腹を空かせた生徒たちが新しいジャージを着て集まってきた。校庭にバーベキューセットを次々と出し、オークやミノタウロス、水牛、水鳥、ダチョウの肉を出した。そう、これからバーべキューパーティを行うのだ。肉だけでなくちゃんと野菜も出した。タレは調味料召喚とダンジョン産の野菜や香料で焼肉のタレを作った。みんなキャーキャー言いながら肉を食っていた。野菜も食べなさい!

数か月前までは孤児か難民だった生徒たちである。幸せにしてあげたいと思う。いつのまにか、マーガレット王妃やシオン姫も参加していた。マリアンは、武術クラスに入っている。剣術を基礎から学んでいるそうだ。生徒会長としてもみんなを引っ張っていってくれているそうだ。ご褒美に新しいミスリルの剣を作ってあげた。


 寮の方も見に行った。銭湯のような集団浴場を作ってあげた。もちろん、温泉玉でお湯は温泉である。エレベーターも設置してあげた。エレベーターが出来たのでさらに階層を重ねて多くの生徒が住めるようにした。それにトレーニングルームも設置した。他に欲しいものがあればマリアンを通じて報告するように伝えた。初心者の装備と部屋着、外出着と一通り与えた。とりあえず、今暮らしていくには問題ないだろう。これ以上は与えるつもりはない。あとはそれぞれがダンジョンで稼ぎ、自分で買うようになってほしいからだ。あまり甘やかすと卒業後苦労することになるので一人でも生きていけるようになってほしい。



 教会の方にも顔を出した。マリンとマリナが忙しそうにケガ人を治療していた。結構な数の患者が並んでいたので一か所に集まるように指示し、俺が一気にエリアヒールを使って治療を終わらせた。なんか拝まれているが気にしない。手が空いた2人を連れて裏の孤児院に向かう。孤児院には学校に入れない6歳までの孤児が暮らしている。うちの庭の手入れや家畜の世話などが彼らの仕事だ。そして、子供たちも含め足りないものや欲しいものがないか確認した。今は生活が安定しており、特に問題はないそうだ。ただ、治療が忙しくて子供たちの面倒があまり見れなくなってしまっているのが辛いと言っていた。ということで、従業員を増やすことにした。できればシスターか家政婦さんがいいだろう。

 久しぶりに奴隷商店に来た。常連さんになりつつある俺に店長が駆け寄ってきた。シスターか家政婦は居ないかと聞くと両方ともいるそうだ。シスターは、神父の借金のおかげで奴隷落ちしたかわいそうな子だった。16歳のハーフエルフで名前はエミだ。緑髪のショートで丸顔の美人さんだ。孤児院キッチン担当にメイドとキッチンの経験があるおばちゃんで名前はケートという。ヒューマンで茶髪のウェーブのかかった髪である。年齢は秘密と言っていたが35歳である。もう一人、キッチン見習いの少女が居たのでその子も引き取ることにした。両親が食堂を経営しており、手伝いでキッチンに入っていたそうだ。両親ともに急死し奴隷になってしまったそうだ。名前はサリーで、豹族獣人の14歳である。金髪ロングで背が低い。寮母のキャサリンの元でキッチン見習いを行ってもらう。それからいつものように子供の奴隷や子供のケガ、欠損のある奴隷をまとめ買いした。

治療をしてから孤児院や学校に入学してもらう予定だ。


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