第71話 隣国の救助

新たな旅に出ることにした。

それはまた女神メリーナからの神託があったからだ。

第2王女の身に危険が忍び寄っているらしい。王族のみなさんに伝えたところ、すぐに助けに行ってほしいと頼まれたのだ。第2王女の嫁ぎ先は最初の街のそばにある隣国の王城だ。マリアンも同行するというが拒否した。自分の身すらまだ守れないマリアンは連れて行くことはできない。戦闘メンバーの7人で行くことにした。まず、マリアン達と最初に会った『はじめての森』の街道まで転移した。馬車風自動車をインベントリから出した。リッカにバトルホースではなく普通の馬に変身してもらって引いてもらう。ユニコーンとなったリッカに襲い掛かってくるような魔物はいない。ましてや、ドラゴンのカリンもいるのだから尚更だ。ただただ街道を隣国の王都目指して駆け抜けていくだけであった。ティアにマップを確認しながらおいしい食材が居たら教えてくれるようにお願いして車内のリビングで寛いでいる。そろそろ国境に近づく。一旦休憩することにして、リッカはリビングでお茶を飲んでいてもらい、エルザを連れて王都に戻る。エルザの身分証明の作成をすっかり忘れていたのである。マーガレットにお願いして紹介状を書いてもらい、ギルドでギルドカードを作成してもらった。すぐにみんなの場所に戻り、旅を再開した。

国境で全員分のギルドカードを提出し、ゴールド国に入国した。さらに王都に向けて旅を続ける。数時間走るとティアから盗賊が潜んでいると報告が来た。面倒だが放置したら次に通った商人や旅人が襲われてしまうだろう。アジトも含め潰しておくことにした。潜伏場所まで進み盗賊が現れたところでシルクに拘束させ、スキルとステータスを奪ってやった。ついでに身包みも剥いだ。このまま森に捨てておけば生きてはいけないだろう。ステータスがすべて1では転んだだけでも死ぬだろう。一人だけ奴隷契約魔法で奴隷にし、アジトまで案内させた。アジトに残っていたボスを含めた盗賊たちも同じようにスキルとステータスを奪い、身包みも剥いだ。装備や衣服、ため込んでいたお宝はすべてアイテム売却でお金に変えた。街道に戻り、旅を再開した。


やっと王都に着いた。さすがにいきなり城に行っても追い返されるだけなので、マリアンを連れてきた。マリアンとともに王城の門に行き、第2王女への面会をお願いした。急な訪問だが、隣国の姫なので無下にはできず応接室に案内された。第2王女と呼んでいたが、正確には隣国ゴールド国の王妃になる。程なくしてジャスミン王妃が現れた。急な訪問に驚きはしたものの、かわいい妹が会いにきてくれたので喜んでくれた。訪問した理由を説明し、とりあえず調べるのでマリアンとともに我が家に避難するようにお願いした。は?という顔をしたが当り前だ。シルバー国の王都までは1か月以上かかるのだから。そこでゲートをマリアンの部屋につないだ。ゲートを潜るとマーガレットとシオンが居て、久しぶりの再会を抱き合って喜んでいた。しばらくしてシオンが立っていることに気付き、再び驚くのであった。

 ゴールド国の城に戻り、マップを最大限まで広げ、ジャスミンに迫っている危険の原因を探った。すると数十キロ離れた山の頂上に竜の巣が見つかった。これはドラゴンとは別種でワイバーンに近い種だ。龍ではなく竜だ。ドラゴンを倒した俺達の敵ではないが数が多い。あの数の竜が襲ってくることで王都が滅ぶ未来があったのだろう。ジャスミンに説明し、しばらく王族3人と久しぶりにお茶を飲みながら女子会をしていてくれと伝えゲートを閉じた。

 応接室の窓から飛翔で飛び立ち、目的地の山頂に向かった。山頂に着くと、赤、黒、黄色、緑などの属性の違う竜が群れていた。ティアからスキルを奪えと指示があったので全員からスキルを奪った。耐性系のスキルが一気に増えた。飛翔も奪っているので飛べなくなり落下していく竜たち。落ちた竜の首をどんどん跳ねていく。あっという間に50頭ほどいた竜を絶滅させた。すべてインベントリに突っ込み王城に戻った。再びゲートを開きジャスミンに完了の報告を行った。その後、王様と面会することになり感謝を告げられた。すべてメリーナの導きなのでメリーナに感謝の祈りを捧げてほしいと伝えた。他国への布教活動である。それでも報酬をくれるというのでありがたくいただくことにした。

 それより、新たな問題が発生した。我が家で暮らしている3人に我が家の居心地を聞いてしまったジャスミンがしばらく滞在したいと言い出したのだ。1か月もかかるため寂しくても諦めていたが、今は一瞬で里帰りができるのだ。しばらく里帰りがしたいらしい。王様が拒否してくれることを期待したがダメのようだ。しばらく我が家に居座ることになりそうだ。公務にも支障をきたすといけないので、ゲートはつないだままにしてあげることにした。ただし、通り抜けられるのはジャスミンのみに限定させてもらった。

 それから、せっかくこの国に来たので我々はこのまま旅を続けいろいろなところを冒険しようと思う。王様に許可をもらい旅を再開するのであった。

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