第68話 ダンジョン 10階層 前半

新しい相棒のティアは予想以上に優秀だった。

先を読んでアドバイスをくれる。メリーナの知識にアクセスすることができ、知りたいことをすぐに教えてくれる。俺の思考を読めるので当然と言えば当然なのだが非常にありがたい。しかも声がかわいい。「僕が君を勝たせてやる、勝たせてみせる!」とたまに名言を言ってもらっている。これが分かる人は同志だ。


今日はいよいよ最終階層である。属性ドラゴンを倒し、次の部屋にいる属性ドラゴンを倒すを繰り返し、最後にラスボスの光龍を倒すことでダンジョン制覇になる。

まずは土龍からになる。土⇒緑⇒水⇒風⇒氷⇒雷⇒光の順になる。火龍は9階層で倒し、闇(黒)龍はカリンなので除かれている。

 ドラゴン共通のことだが、固い鱗に覆われているため物理防御が高い。魔法も効きにくい。尻尾の攻撃と爪の攻撃、噛みつき、ブレスと多様な攻撃を持っている。人とは次元の違う魔物である。

 そして最初の土龍戦が始まる。土龍は巨大なトカゲのような四つん這いで、背中に多数の突起がある。明らかに背中への攻撃は無意味であろう。ティアから狙いはお腹か喉あたりとアドバイスがきた。ということで、下あごから喉付近を狙って下から勢いよく土壁を出し、土龍をひっくり返した。仰向けになった土龍をみんなで切りまくった。傷だらけになったお腹に黒ミレー、エルザ、俺で魔法をぶち込んだ。ほどなくして土龍が光となって消えていった。宝箱をドロップした。最終階層は戦闘毎に宝箱が出るようだ。

 次は緑龍だ。緑龍はリクガメに見た目が近く、背中に樹木が生えている。ティアから火に弱点と。カリンとリッカに足止めをお願いし、魔法職3人でメテオストライクを叩き込んだ。一気に燃え広がり、緑龍が悲鳴を上げている。お構いなしにメテオストライクを打ち続ける。弱ってきたところで首を切り落とした。今回も宝箱を拾った。

 次は水龍だ。水龍はクビナガリュウ、そうネッシーに似た姿をしていた。水の無い洞窟のホールだが、ヒレのような足でぺたぺた移動している。とてもかわいらしいのだが倒さねば先に進めない。見た感じでは鱗はなく、イルカのような肌にみえるのだがどうなのだろう。ティアから弱点は風魔法と。みんなで風魔法で切り付けているとキズから血が垂れて水龍が真っ赤になった。それをみたエルザがヴァンパイアの血が騒ぎ吸血衝動が朝得られなくなり、水龍の首に噛みついた。チュウチュウしていると段々やせていく水龍。その身体のどこにそんなに多くの血を吸ったのだろうか不思議になりエルザをみつめる。このままではエルザにトドメを刺されてしまうので慌てて首を切り落とし俺がトドメを刺した。今回もちゃんと宝箱が落ちてきた。

 次は風龍だ。風龍は鳥のような姿をした龍だった。プテラノドンのような翼竜だ。今回のティアアドバイスは弱点は火で、翼をまず落として飛べなくするのが先決だと。羽は皮だけのようなので、ファイアボールで打ち抜いた。羽に穴が開き、風龍が落ちてきた。落ちた風龍をみんなで滅多切りにした。一番楽なドラゴンだった。お約束の宝箱Get!。

 氷龍からは2足歩行のゴジラに似たドラゴンになった。典型的なドラゴンで固い鱗に覆われている。もちろんブレスも吐く。ティア検索中。というかフリーズ中。さすがに勝ちルートがみつからないという感じのようだ。氷龍の顔を見たので今日は引き返すことにした。

さすがにメリーナが作った不落のダンジョン。簡単には攻略させてはもらえないようだ。



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長くなってしまいそうなので最終回は2部構成にしました。


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