第67話 ダンジョン 9階層

起きると次の日の朝だった。相当疲れが溜まっていたようで1日中寝てしまった。

マーガレットさんに魔法の絨毯を渡し、久しぶりに学校を見回った。

生徒は随分増えてきた。寮の部屋が足りなくなりそうだというので、高層マンション風の寮を2棟建てた。これで100人くらい増えても大丈夫だろう。


ダンジョンに戻った。今日は9階層を制覇する。9階層はとにかく暑い。至る所にマグマが湧いている。ここは火のダンジョンらしい。みんなに火耐性を付与した。それでも暑いので、体の表面に薄い空気の膜を作り熱から守るエアカーテンという魔法を作った。一応、風属性魔法である。ミレーに付与し、常にみんなにエアカーテンをかけておくように指示した。マグマに気を付けながら進んでいると突然マグマの中からトカゲが飛び出した。名前はサラマンダー。その後に子分のような小さめのトカゲ(火トカゲ)が複数現れた。もちろん、火なので弱点は水、氷魔法である。

また黒ミレーの無双が始まった。エルザにも魔法を伝授し、エルザ無双も始まった。

ひゃはははっと笑いながらトカゲを狩っている2人が悪魔に見えてくる。

9階層は暑さの対策ができるかどうかで難易度が変わると思われる。水魔法が使えればサラマンダーは苦労する魔物ではない。また9階層も宝箱がたくさん設置されていた。ただし、ハズレも多い。ポーションや通常スキルのスクロールなどはハズレに入る。でも、今回は防具やアクセサリーなど装備品も多く得られた。天魔のローブのように化ける可能性もあるので楽しみだ。そして、ボス部屋に到着する。

 ボスはなんと火龍だった。カリンが試したいというので先頭をカリンにし、他のメンバーは水魔法や氷魔法で牽制することにした。カリンはドラゴン化した。そして怪獣対決が始まった。尻尾で叩き、爪を立て引っかき、噛みつき、ブレスを吐く。次元の違う戦いをしている。回復魔法と支援魔法で応援し、隙をみて氷魔法をぶつけた。

すると、カリンから十分確認できたと声をかけられた。ドラゴンになっても話せるんだ、それに声が太いとどうでもいい感想を持った。カリンは人型に戻り、盾を構えた。ここからは通常戦闘に戻る。カリンとリッカが盾、シャナとシルクが牽制、黒ミレーとエルザが魔法、俺がトドメを担当する。

 インベントリから日本刀を取り出し、鞘に入れたまま腰の脇に置き、柄を握り絞め精神を集中させた。居合い切りのようにして斬撃を飛ばし火龍の首をはねた。火龍の大量の鱗と肉をドロップした。今回の宝箱の中身は『使い魔』というユニークスキルのスクロールだった。使い魔はスキルの補助やアドバイスなどをしてくれるAIのようなものである。多少人格もあるので話し相手にもなってくれる。だが、現状は例のピロリン♪の脳内に響くアナウンスの声そのままなのでかわいくない。そこで、前世で大好きな声優だった水瀬い〇りさんのレ〇風に変えた。そしてこっそり例の感動する18話のセリフを言ってもらっていることは秘密である。使い魔の名前はレムにしたいところだが、メイドちゃんと被るのでティアにした。

 ティアには俺のスキルの使用権限をすべて与えた。俺が寝ている間に錠剤を作ったりしてくれるそうだ。


今日もギルドに報告に行く。

ドラゴンが出てきたのでもう人では制覇は不可能であろう。

そもそも熱対策も無理だろう。

今日は200金貨の報酬をもらった。

もし、ダンジョン全階層を制覇してもダンジョンコアはそのままにしてくれと言われた。ダンジョンがなくなるとこの町もなくなることになるからだ。

メリーナに聞いたところ、次の10階層が最後の階層になるそうだ。



次回、ダンジョン編の最終回になります。

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