彼氏彼女の質問劇

山岡咲美

彼氏彼女の質問劇

 ある雨の日の日曜日、彼のアパートで…。


『ねー安吾あんご、質問していい?』


「唐突だな光子みつこ


『いいから、質問!』


「いいけど…」



Q1.あなたは犬派?それとも猫派?


「何それ?」


『いいから答えて』


「心理テストか何か?」


『早く早く!』


「猫派、小さい時はどっちでも良かったけど今は猫派だね、黒猫派」


『黒猫?何で?』


「家に子猫が迷い込んで来た時があってさ、オレその猫にミルクとかやったりしてたんだけどさ貰われて行ったんよ、オレその猫飼いたかったんだけどウチじゃ飼えなくてさ…」


『それが黒猫?』


「そ、それ以来もし何か飼うんだったら猫を、黒猫飼いたいんだ」


『私それ初めて聞いた』


「そだっけ?光子も猫派だろ?」


『うん私も猫好きよ、猫派、気が合うね』


『じゃ次の質問』


Q2.私の作った料理で何が好き?


「かにクリームコロッケ」


『それ冷凍のやつじゃん!』


「え?光子の料理で一番美味しいよ?」


『……』


『じゃあ次!』


Q3.自分で作る料理で何が好き?


「自分のなら玉子焼きパンかな?」


『玉子焼きパンって、玉子焼きの上に食パン乗っけて片面玉子焼き片面焦げ目にしたやつじゃん…』


「美味しかったろ?」


『美味しかったけど…もっと他に有ったでしょ?』


「他?」


『ほら、この前カルボナーラとか作ってくれたじゃん』


「あんな普通の料理ダメだよ」


『私、料理に個性とか求めんから普通のでいいよ』


「…そうなん?」


『じゃ次!』


Q4.女の子のどんなファッションが好き?


「どんな?」


『例えば私に何着てほしい?』


「女の子はね、なに!!!!」


『何か着せてね』


「じゃ裸にエプ!!!!」


『もういい!次!』


Q5.自分はどんなファッションが好き?


「楽なの!ゆったりで洗濯乾燥機かけても傷みにくい感じのやつ」


『そう言えば安吾って一回りおっきいサイズの服買うよね』


「洗濯乾燥で縮む前提のサイズなのさ」


『へーそうだったんだ、いろいろ解るね』


『じゃ、次の質問』


Q6.将来どんな家に住みたい?


「そうだな、取りあえず雨もりしなくて、暖かくて、掃除が簡単な家が良いかな」


『掃除がしやすいのは良いね!』


「だろ!」


『次ね』


Q7.あなたはその家に住んでいます、子供は何人いますか?


「3人」


『多くない?』


「ウチも光子の所も3人だし多い方が楽しいし助け合える」


『まあそうなんだけど……た、大変そう』


『じゃ、じゃあ次ね』


「まだあるの?」


『あと、あと2つだから…』


Q8.おじいちゃんに成ったら何してたい?


「死ぬまで働いてたいけど」


『えー!?私おばあちゃんに成ったら、船で世界一周したいのに!』


「船で世界一周なんてするのは日本人だけらしいよ」


『そうなの?』


「海外の人は大抵 港から港までをいくつかめぐるだけらしいからね」


『安吾は変な事知ってるのね』


「よく知らんけど」


『……じゃ最後の質問ね』


『……』


Q.


「あっ、待って最後のはオレがするから」


『?』


『……』「……」


Q9.オレと結婚してくれませんか?


『……』


『…ぃ』


「なに?」


『はぃ…』


「なんて言ったの?」


『はいって言ったの!!』


『はいに決まってるじゃない!!!!』


「ありがとな、光子」




めでたし、めでたし。

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