四.六  シーロム

 雨季に入って湿度がさらに上がって来たものの、ひと頃の暑さも大分和らいでいる。曇りの日が少しづつ増え、雨がほとんど毎日ゲリラ豪雨の様に一時間ほど降っている。

 そんなある日、バンドタイ工業の林から電話があった。

「すみませんが、今夜ちょっと会えますか?」

「ええ、勿論良いですよ。そう言えば工場用のエアコンどうされました?」

 ええ、結局キンダイ工業さんのにする予定です。少し予算オーバーになりますけど、やはり日本のメーカーさんだと安心なので」

「そうですか、良かったです。で、今夜はいかがしましょう?」

「じゃー、シーロムのドゥシット・ホテルの鍾馗(しょうき)で、六時半に。ティプロの武井さんも来てくれることになっています」

「分かりました、それでは武井さんと誘い合わせて行きます」

 鍾馗はドゥシット・ホテルに入っている日本食レストランで、若輩の恒久はよほどの客で無い限り行く事は無い高級なレストランである。

 夕方、恒久は、会社の車で武井と出発した。

 恒久たちのオフィスから、ラジャダムリ通りを真っ直ぐラマ四世通りに向かって、十分もあれば歩いて行けるが、湿気の酷いこの時期、ネクタイを外し背広を脱いで手に持つとしても、ワイシャツと背広のズボン姿で、たとえ十分でも歩くのは辛いのである。往々にして、レストランは冷房が効きすぎるので背広は手放せない。

 オフィスを出て少しした所にあるAUA(米国大学同窓語学センター)辺りで、車がぴったと止まってしまった。その先のラマ四世通りとの交差点で警官が信号を止めているのだ。道が空いていれば車でものの三、四分の所であるが、渋滞を予測して六時少し回ってから出発した。待ち合わせている林は、工場のあるシーラャー方面から来るので恐らくスクンビット通りを通ってこの道に入って来るか、途中から曲がってラマ四世通りから来るかなので、いずれにせよこの大渋滞に捕まるだろうと二人は踏んだ。

 二人は結局鍾馗に約束より五分ほど遅れて着いた。たったあれだけの距離で三十分近くもかかってしまったのである。

 武井が「きっと王室の誰かとかお偉いさんがどこかこの辺りを通った影響かな」と言ったが、その可能性は十分にある。

 案の定、林はまだであった。

 二人が着いてからほほ三十分ほどしてやっと林が到着した。

「すみません、すみません。お待たせしてしまって。いやー、しかしこの渋滞何とかなりませんかねー。この間うちの社長が来た時、渋滞がすごいとは聞いていたけど、これほど凄まじいとはおもわなかったと言っていましたよ。日に日に悪くなっている感じですね。渋滞による経済的損失は結構なもんですよね」

 林は恐縮しながらも、渋滞を恨んだ。

「いやー、このあいだ日本のお役所からの出張者をドンムアンに迎えに行って市内に戻ったんですが、丁度夕方近かった事もあって3時間もかかってしまいましたよ。3時間!途中でたまらずに高速を降りてラチャダピセック通りに出たんですけどやはり渋滞でね。

 こんなに酷い渋滞ではタイに投資をして欲しいと言ったって誰も来ませんよって、BOI(タイ国投資庁)のブンヤチット部長に言ったら、ニヤニヤして『誰もバンコクにとは言ってませんよ、バンコクから外の地方に投資をして貰いたいと言っているんです。ですから、去年からタイ全体を三つのゾーンに分けてバンコクから離れれば離れる程インセンティブを多くしたんですよ。それにこの円高でしょう、もっとどんどん地方に来てもらえるんではないかと期待してるんですよ』ですって。憎らしいでしょう?」

 武井は、目をむきながら言い募った。

「そうですね、うちの工場のあるシーラチャーのタナーナコン工業団地はゾーン二でそれなりに投資インセンティブが充実していますけど、あそこから今日みたいにバンコクに来るとなるとやはりひどい渋滞でね。時間帯にもよりますけど夕方は特に混みますね」

 林は、顔と首を拭いたお絞りを裏返して、今度は薄くなった頭を拭きながら続けた。

「すみません、今夜は。久しぶりに日本料理が食べたくて。このホテルは社長がこの間バンコクに来た時に泊まったんですが、その時にこの鍾馗で食べたんですけど美味しくてね。しゃぶしゃぶを勝手に頼んでおいたんですが良いですか?」と言うと、武井が「以前うちの高橋次長に奢ってもらったことが有りますけど、しゃぶしゃぶ美味しいですね。高橋次長が、接待でほぼ三日連続で昼夜と『タイスキ(タイ風しゃぶしゃぶ)』を食べたらなんか見るのも嫌になって、口直しに日本のしゃぶしゃぶが食べたいと言って連れて来てくれたんですよ」と、言って冷たいクロスター・ビールをグイと飲んだ。

「今夜はすみません。実は……」

 林は落ち着かない様子で、新しく持って来てくれたお絞りで頭の天辺から吹き出る汗をまた拭いた。

 実は、住井さんの安山さんの事なんです。ふた月ほど前でしたか、お二人に一緒に行って頂いてトンブリのリン社長の所にワッシャーとかを見に行きましたでしょう?サンプルを日本に送って品質チエックしてもらったんですが、なかなか良くて本社のお墨付きをもらったんで、取引する事に決めたんです。

 あのリンさんの所に行った後に、念のためもう一軒ほどワッシャー屋を比較しようと思って武井さんの所に電話したら、BOIに行っていらして留守だったし、住井さんに電話したら左右田さんも居られなくて、丁度安山さんが電話に出られんたんで、その話をしたらバンプーにある会社を紹介して頂いたので行って見たんです」

 林はビールの突出しの枝豆をつまんで口に入れた。

「はいはい、安山さんもついて行った所ですよね、確か」

 恒久がやれやれまたかと言う顔で言った。

「はいそうです。でも、結局ばか高い事言うので取引はしない事にしたんです。安山さんにあそこは高いので止めたと言ったら、それはえらく怒られましてね。折角紹介してあげたのに俺のメンツを潰す気かって。あそこはBOIの部品業者リストにも載っている優良企業で、自分が紹介した日豊自動車さんにもネジを始め色々な部品を納めているし、わざわざ自分が一緒について行ってあげたあげくに断るなんてとんでもない。多少高くてもそれなりに信用の有る所と取引すべきだ。だいたい、工業省に紹介して貰ったらと言って信用が置けるかどうかわかったもんじゃあないし、「林」って同じ名前だからと言うだけで決めるなんてまるで素人みたいだ。そもそもBOIからインセンティブを貰おうとしているんならBOIがリストアップしている所を使うのが筋ではないか。信用できないような相手と取引している会社だとBOIに言って、おたくにインセンティブを与えないように言うがそれでもいいかって脅すんですよ。

 この投資計画はティプロの支援プロクラムに採択していただいているので、ティプロでリンさんの所の信用調査をして貰った結果は問題なかったし、品質は安山さんの推薦してくれた会社と比べて殆ど遜色ない。むしろバリ取り作業はリンさんの所の方がやや丁寧である。部品業者についてBOIが何か言う事はないと思うと反論したんです。

 すると安山さんは、じゃあ私の面子はどうしてくれるのか、この落とし前はどうつけてくれるのかってまるでヤクザの様だったんです。

 兎も角私は、申し訳ないがご紹介いただいた所とは取引できないと言って電話を切ったんですが、次の日安山さんが電話して来て、タナーナコン工業団地には入居をお断りするなんて言ってこられたんですよ。

 林はほとほと困ったような顔で言った。

 武井は得たりとばかりに、「そう言えば安山さんてこの間も、BOIのチャントラさんと揉めていましたよ、自分が紹介した会社だからもっとインセンティブを付けてあげて呉れって。でも、チャントラさんはその会社だけ特別扱い出来ないと、頑として言う事を聞かなかったので、安山さんがあなたでは話にならない、部長を呼べって叫んでいましたよ」と恒久の方を向いて言った。

「すみません。あの人しつっこいですから、なかなか諦めませんよ。きっとまた、ストーカーの様に林さんの所に電話をすると思います。次に電話が有ったら、うちの瀬山リーダーにお詫びを兼ねて話をしに行きますと言えば納まるのではないかと思いますが……。瀬山リーダーには、話しておきます」

 恒久は、申し訳なさそうに言った。

「安山さんはどうも困りものでね、身内の恥をさらすようで嫌なんですけど、きっとその会社から紹介料でも取るつもりだったんではないかと思います。以前にもそう言う噂がありましたんで」

 恒久が一層済まなそうな顔で言った。

「そうそう、安山さんはこの間は女性問題を起こしてしまいましてね」

 恒久が言うと、武井が頷きながら身を乗り出して何か言いたそうにしていたが、恒久は構わず続けた。

「実は、うちが時々使っているPRエージェントの女性に手を出してしまったんです。安山さんの方は数か月したらどうやら飽きてしまったらしいんですね。別れ話をしたら相手の女性の、本当かどうか分かりませんが、お兄さんと言う人が現れましてね。コワモテの。

 そのコワモテが言うには妹は本気だった、慰謝料を日本円にしてなんと一千万円出せと言って来たんだそうです。相談を受けた瀬山リーダーもホトホト困ってしまっていましてね。それで弁護士を立てたんです。一千万円は出せないって。

 でも、一バーツたりとも負けられない、命が惜しくないのかって言わんばかりの脅しがあってね。私も見かねて、タナーエンタプライズのサマート社長に相談してみたんですよ。そしたら、裏社会では相当の顔の人に渡りをつけてくれてね、幾らなら払えるかと言って来たんですね。安山さんはさすがにブルってしまって奥さんと子供を連れてホテルを転々としていてね。三百万円ならと返事をすると、次の日に返事があって、それで手を打つ事になった、金さえ払えば後は何の問題も無いと言って来たんですよ。それで一件落着なんですが、安山さんはなんと奥さんの親から三百万払ってもらったって言うんですから呆れてものが言えませんよ。あ、この件は全て瀬山リーダーに間に立っていただきました」

 恒久はそう言うと、しゃぶしゃぶの肉をごまだれにつけて口に運んだ。

 武井は、いかにも待ってましたとばかりに恒久が話し終わったとたん「ねぇ。奥さんが可哀そうですよね。奥さんの親もいい面の皮ですよね。それからもう一つその後で、BOIのナンタワンさん事件もありましたよね」と、いかにも意味ありげの口振りで恒久に水を向けた。

「そうなんです。ナンタワンさんはあのタナー財閥の創始者のお子さんでサマート社長の妹さんなんですよ。その人にも安山さんはしつこく言い寄ったんですよ」

「あー、あの美人さんですか?」

 林は、興味津々の顔で聞いた。

「はい、安山さんは妻子持ちだし、彼女は凄く嫌がって、興味が無いからって断っていたんですが、それでも安山さんはお構いなしにしつこく誘ったりしていたんです。彼女は堪りかねてサマート社長に相談しましてね。サマート社長から自分の妹から手を引くように安山さんに言うように瀬山リーダーに連絡がありましてね。その時に、三百万の件を上手く処理してくれた人の顔に泥を塗るようなことはしないで貰いたいと言う伝言が有ったんです。で、安山さんはすっかり大人しくなったようです」

「ほー、タナー財閥って怖いとこなんですか?」

 林が、しゃぶしゃぶの後の残り汁に塩コショウと刻みねぎを入れたスープを旨そうに啜りながら聞いた。

「いや、そういう所は全くありません。そうですよね、こんな話をしたらそう思ってしまいますよね。なんか裏社会とつながりが有るんではないかと。そんな所の工業団地に入るのは危なくないのかと。すみません、口は災いの元ですね」

 恒久は、素直に謝った。

「タナーエンタプライズは全く堅気の会社です。これは住井が保証します。実を言うとこれは表に出したくないのですが、ユッタナー会長には勘当した長男がいるんです。サマート社長が、安山さんの三百万の件は仕事とは関係が無く個人的に、サマート社長の兄にあたるその人に相談したんだそうです。ですから全くご心配なく」

 恒久は、結局ニポンの事まで話さざるを得なくなってしまったと、余計な事を言ってしまって後悔した。幸い林は住井が保証すると言った事で安心した様であった。

「住井さんとうちは階が上と下なんで直ぐ噂が入って来てしまうんですが」

 武井がおそるおそる話し始めた。

「その安山さんと一緒に働いていた女性職員が相次いで二人辞めていってしまったんですってね。どうやら、安山さんはその女性が失敗したんで叱ったと言っているみたいなんですが、うちの現地スタッフに言わせると、失敗を叱責すると言うのと感情的に「怒鳴る」と言うのを混同してしまって、ただ大声でわめき散らしているみたいなんですね。タイ人は一番そう言うの嫌いですから。逆効果なんです」

「そうですね。私も時々、間に割って入ることが有るんですが、兎も角、安山さんは三方の退路を断って真正面から、ぐうの音も出ないほど怒鳴り散らしながら、徹底的にやり込めるもんですから堪らないですよね。社長には時々注意されているんですけど、治らないですよね」

 恒久はなんとも致し方ないといった表情をしながら言った。

「いや、うちにもそう言う先輩がいましてね。我々しがないサラリーマンは上司からめちゃめちゃ怒鳴り散らされても我慢するしかないですもんね。感情的にならないできちっと叱ると言うのは難しいですが、人を使う以上大事な事だと思いますね」

 林は、昔の事を思い出したのかしんみりと言った。


 安山は、国立東都大学の出身である。本人は超エリートだと思っている。にもかかわらず、駐在がよりにもよってバンコクくんだりとはと本人は大変不満に思っていたのだ。親のコネの政治家が出てきたりで、すったもんだの挙句に結局は致し方なく駐在して来たものの、現地スタッフや現地政府の職員とは相性が悪く、何かと言うと問題を起こすことが多いのである。

 負けず嫌いの性格もあって、自分一人でやる仕事はキチットこなすが、他人との協調性に問題があり、特にタイやタイ人の事をやや下に見るきらいがあり、それが問題を起こす原因となっている。

 通常、駐在員であれば少しでもタイ語を学ぼうとするが、安山は全くタイ語を勉強する気がない。確かに仕事は殆どが英語で済むので安山が言うようにタイ語を習う必然性が無いと言われればそうである。だが、人の国に来て何年も世話になるのにその国の言葉ぐらいある程度勉強するのが礼儀と言う物であろう。それに英語が通じないタクシーは多く、右、左や金額ぐらいわかるようでないと不便だ。

 安山は事あるごとに、人に不満をぶつけたり、弱い者いじめをすることで本人は不満を解消しているつもりなのであろうが、一方でそれが自らを貶めている事に気が付いていないのである。会社で人事に不満を持っていると、必ず自分が不満と思う方向へと向かっていくようになってしまう事が多い。不満に思っていても、明るく不満を吹き飛ばすようにしていれば良い方向に向かう事が往々にしてあるのだ。

 恒久に対しては言葉が出来るだけだと言わんばかりに見下した態度で、何かと言うと「私学」ではそんなことも教えないのかと、「官学」をひけらかすので辟易としていたのだ。本人は、少なくとも会社では反省の色を全く見せず、こうなってしまったのも自分をバンコクに「左遷させた」からだと他人のせいにする始末であった。

 ある時は、恒久が計算機をたたいて予算をたてていると、意地悪そうな目つきで近寄って来て、「君ぃ、計算機の数字のキーの真ん中の五の所にポチッと突起があるだろう、それって何の為にあるのか知っているかい?」と来た。「えっ?」と言うと。「君みたいな奴には必要ないな。普通は中指でその突起の位置を確かめながら計算機の数字のキーなんて見ないで数字を入れるんだよ。君みたいに計算機と予算書とを交互に見ながら計算してたら日が暮れてしまうよ」と言うのだ。

 兎も角、何か「ひとこと」嫌味な事を言わないと気が済まない性格なのである。ある種の「いじめ」体質らしく、恒久が赴任したての頃は傷口に塩と唐辛子を塗ってワイヤーブラシでごしごしとされたような感覚を覚えた事が何度かあった。

 その後、そうされればそうされるほどむしろ安山に近づいて話をするようにしていると、どうやらつまらなくなったらしく恒久の事を「いじめ」の対象から外したようであった。代わりに、現地スタッフのタリンが「いじめ」のターゲットになってしまったようだ。

 時々安山は、お客様である工業団地に入居している企業と工業省や税関との間に立って問題を解決すべきであるのに、両方を怒らせてしまったりと、むしろ安山がいない方がやり易いので、早く日本に帰って欲しかった。

 女性問題が社長の耳にまで入ってしまったと言う事なので、早めに帰任させられるかと期待をしていたのだが、どうやらバックの政治家が出て来て、すぐには帰任とはならない様子であった。あれほど、バンコク駐在が嫌であったのだから早く帰りたいのかと思いきや、やはり不祥事での任期途中の帰国は不名誉と思ったのであろう。


 帰りは武井も恒久と同じラジャダムリ通り方向なので、二人でカマンの運転する車に乗り込んだ。ドゥシット・ホテルは、北側をシーロム通り、東側をラマ四世通りと言う大通りに接していて、シーロム通りがラマ四世通りを越るとラジャダムリ通りと名前が変わるが、そのラジャダムリ通り方向に行くには、ホテルのシーロム通りの出口で左折していったん西に進み、途中でUターンをしてラマ四世通りを真っ直ぐ横切ってラジャダムリ通りに入るのが当たり前の方法である。タイは日本と同じに車は左側通行だ。

 ところが、若く血気盛んなカマンは、いきなり車でびっちりと埋まっている五車線のラマ四世通りに突っ込み、たった十五メートル先の交差点で右折してラジャダムリ通りに入ろうとしているらしい。右折をするからには車が一杯で、後から、後からと押し寄せてくる車をかき分けながら、五車線の一番左側から一番右側の車線にたった十五メートルの間に移動する必要がある。後ろから来る車は当然我々の車を間に入れまいと、前の車と間髪を入れずの距離を保とうとしている。

 カマンは窓から手を出して、となり車線の後ろから来る車を止めようとするが、なかなか止まってくれない。だが、前の車との隙間が僅かに空いた瞬間、それっと頭を突っ込むと後ろの車はクラクションを鳴らし急ブレーキをかける。その瞬間にその車線にまんまと入り込むのだ。激しくクラクションの鳴る中をカマンは平然と同じことを繰り返し、一番右側の中央よりの車線に辿り着いた時にはちょうど交差点の真ん中で右折の態勢である。

「お宅の運転手さん凄いね。うちの連中はここまではやらないよ」

 カマンが車線を変えようとするたびに、「オウ」と言って車を避ける様に体をビクかせるようにしていた武井が、しわがれ声を一層しわがれさせながら感心した様に言った。

「時々、社長の奥さんがカマンの運転する車に乗るんですけど、カマンの運転は怖いと言ってあまり乗らなくなったようですよ」

 恒久は、脇の下から流れる汗を意識しながら武井の顔を見ながら苦笑した。

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