焚き火
とりあえず一服。エコーの煙が目にしみる
むこうからスーツをきた青年が歩いてきた。隣いいですかとたずねてきたのでイイともと答えた。彼はひどく震えていた。かわいそうなので焚き火をすることにした
浮かんでいる燃えそうな物、トイレットペーパー、木片、段ボールなどをかき集め火をつけた。この時ほど喫煙者で良かったと思ったことはない
少しだがあたたまり彼と話をした。むこうでトラックの屋根に登っている人がいる
暗い中火を焚いていると目立つのかだんだん人が集まってきた。そういえば昔読んだ本の一説に哺乳類は好奇心の生き物なので焚き火によってくるとあったがあながち嘘でもないようだ。暇だったので色々あだ名をつけてみた
アニキ、村長、青年、ねーさん、ニーさんなどなど思い出すとセンスがないですがその場では受け入れられたような気がする
向かい側に焼き肉屋がみえる。焚き火で焼いて食べたら旨かろうなどと話していた。落ち着いたせいか腹がへってきたようだ
ひとりのおじさんが店の中の食べ物食わないか?ともちかけてきた。流石に火事場泥棒はいかがなものかと村長とさとしてその場は収まったのだがしばらくすると店員に聞いたら食べていいよっていってくるのでその流れになってしまった。
そんな店員どこにいた?と思ってはみたが差し出された缶コーヒーをむげに断るわけにもいかず受け取った。最初に火をつけた男として一目置かれていたようだ
そのうち缶詰、冷凍カニなども供給され山賊の宴会のようになってきた。午後8時ころ東の空が明るくなった。コンビナートが爆発したようだ。家がそのあたりなので終わったと思った。夜光虫の光が幻想的だった
ひとりのおじさんが少しあたらせてください、ときたのであたらせた。この先の交差点に車のなかでのびている人がいるので助けて
あげられないだろうかと言い残し仙台方面に消えていった
村長は足を捻挫してて無理とのことでした
周りも今更冷たい思いをしたくないようなので僕とアニキで行くことになった
俺は人がいいよなと思いつつローソンのあたりで発見した。アニキはついて来なかったようだ
彼の自己申告によると足が折れているとのことでした。添え木がないのでルームミラーをへし折りタオルを包帯にして巻いてやった
寒そうなので着ていたカッパをかけてやった。朝までなんとか頑張れと声をかけ戻ろうとしたら連れて行ってくれないかと頼まれた
50メートルほどがんばれば火にあたれるが途中で力尽きたら冷たい水の中に君を放り出して殺すことになるがその覚悟があるのか? とたずねたら頑張ると言うので連れていくことにした
肩車をし励ましてなんとかベースにたどりついた。村長を中心に盛り上がっていたがなんだか腹が立ちアニキに気合いを入れて手伝わせて特等席に彼を座らせた
途中で穴に落ちて怖くなって戻ってきましたスイマセンとアニキが謝ってきた。とりあえずアニキのズボンを二人でしぼった
特等席の彼は皆に励まされ幾分元気を取り戻したようでした。タイガーに勤めていたのでタイガーもしくはタイガー君に決定した
水がひき夜明けが近くなってきた。朝日が昇ったら出発する予定にしたので残っている人のため薪を集めておいた。おじさんとネーサンが僕にタバコをくれた
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