変わり過ぎた…………
「あのさ、あんた髪切ったら?」
と言われたのは、親友の真理。
今喫茶店のテーブル席の窓際で話している。
「切った方がいいかな?」
と言うと真理は、身を乗り出して
「絶対切った方がいいよ!!」
と言うと私の少し長い前髪を上げ、私の顔を良く見る
「絶対に切った方がいいね、絵莉は顔立ちも悪く無いもん、私に持っていない何かを持ってるし…………」
とその後私の性格や、顔立ちとか色々誉められた。
まぁいつもの事なんだけど………………
「今からさ、私の行きつけの美容院に行かない?」
といきなりそんな話をふっかけられた。
「私、髪を切るとおかしくなるよ?絶対に笑う。」
ふふふと真理は笑い始めた。
「大丈夫!私が言ったし、それに私が切って貰っている担当の人は上手い事してくれるし、イケメンだしね!」
私はイケメンと言う言葉は弱い。
けれど、髪を切るという事に関しては、嫌だ。
理由を言うと、長くなってしまうから…………
「けっ、けど高いでしょ?」
親友の真理は実家が金持ちなので、美容に関しては、高いだろという偏見だ。
「高くはないけど…………そうだ、私が奢る!
お試し体験見たいな感じで私が払うから、騙されたと思って、行ってみよ!」
そう言う時には、喫茶店の会計が済み、私は引っぱられて誘導される。
……………………………………………………………
「いらっしゃいませ」
これが自分の口癖になる。
店をしていると、ドアの軋む音が鳴ると、どうしても言ってしまう自分だ。
これは家に帰っても、自分が友達を呼ぶ時にドアを開ける際に、「いらっしゃい」と言えばいいのだが、どうしても癖で「いらっしゃいませ」と言ってしまう。友達には、「今日は俺は客じゃないぞ」
と言われるぐらいだ。
それだけ自分はこの店が好きだし、必死に頑張っている店だ。
最初は自分は銀行からお金を借り、この美容院を建てた。本当に最初は人気の無いお店だった。
けど、真理さんのお母さんがここの店いいねと思ってくれて、口コミでこの店が広まった。
ここ最近は、大学生の方が多いなと思うことがあるのだが、それも 真理さんのお陰で本当にその二人には、頭が上がらない。
ありがとうございます。
とそんな事を開店前にいつも思う……
OPENと書いてある、木の看板を店の表にいそいそと出す。
「いらっしゃいませ。」
と二人の声がそろう。
もう1人は最近雇った、高岡だ。
ちなみに後輩。
今日も店は盛り上がる。平日の午前はマダムの方々が沢山来店している。本当にありがたいな、と心から感謝をしている。
「最近は、春休みだから、学生さんも来るんですね。」
と後輩が言う。
「そうだな、大学生より高校生のイメージだな。」
とたわいも無い会話をする。
「ちょっと先に、昼飯食べて来るわ。」
と少し早めに店を抜ける。
……………………………………………………………
昼飯は、自分が作った弁当だ。それを食べ終え戻ると……
「すみません!山田さんを指名された、お客様来てます!」
そう言われるといそいそと自分の体にポーチ等の物を身につける。
「いらっしゃいませ。」
安定の言い方で。
そこにいらっしゃったのは、真理さん。
しっかりと名字を聞いた事が無い。
「どうされました?」
最近この店に来てたよな?
「あのーこの人をお願いしたいのですが…………」
と言われたのは、本当に髪が長い女性だった。
後ろももちろん長いが、前髪が個人的に長いと感じてしまった。
「どういった感じにしましょうか?」
と言うと、
「それは…………店主のお任せで、お願いします!」
と言われてしまった。
「出来るだけ頑張るつもりですが、いい感じにならなければ、お金は払わなくてもいいので……」
正直こっちもプロだ。そう言うような意識はお店を建てた時からある。
けど、本当に髪が長いよな。
さてどうしようか?
……………………………………………………………
「すみませんこんな感じでどうでしょうか?」
と言うと、真理さんが見てきた。
髪を切られる本人は、真理さんの提案で目隠しされた。
「えっ、これものすごく似合っていると思います!」
と笑顔で言われたので、
「わかりました、これでいきましょう。」
……………………………………………………………
ここまで来るとそんなに時間は掛からない。
「目隠しをとってみて。」
と真理さんが言う。
「えっ、これ私?」
と凄く驚いている。
今回は少しセミロングぐらいにわざとした。
それが一番妥当だからだ。
目隠しをしていたので目はよく見えなかったが、
よく見ると、かわいい系の感じだった。
「どうでしょうか?お気に召されましたか?」
と自分が言うと、
「えっ、まぁはい。」
と言う曖昧な回答。
もう1人はものすごく喜んでいたが…………
「すみません気にいったので、ここのお店に来てもいいですかね?」
とその方が言われた。
「もちろんですよ、またご来店ください。」
また新たに、常連さんができた。
それは嬉しい。
お金は何故か真理さんが払っていたが……
「またご来店ください!!」
と言うと、ドアがしまった。
……………………………………………………………
「今日はどうだった?」
と真理が言う。
「美容師さんイケメンだったね、個人的に気に入ったよ。」
と笑顔で言う。
「あれでも、美容師さん彼女いないんだよ。」
とその美容師さんについて話す。
私は今24歳で春の仕事初めで髪を切れたのはよかった反面、あの美容師さん絶対に見たことがある、もどかしい所もあったけどね………………
絶対に今度連絡先聞いて見よう。
……………………………………………………………
皆さんこんにちは煌河穂鷹です!
今回新作を書きました。
沢山の応援コメントとハートがある場合はこの作品の続きを書こうと思います!
まずはお試しです!
よろしくお願いします!
(分かりやすいように短編集に収録しました!!)
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