第7話

佐世保の490「──というわけで、本来なら本編の正式エピソードであるはずだった、第6話をご覧いただいたわけですが、いかがでしたでしょうか?」




日本鬼子(非萌え)「……うん、納得したよ、これはマジでヤバいな」




佐世保の490「そうでしょうそうでしょう」


日本鬼子(非萌え)「この、まさしく『悪い意味でのインパクト』を軽減するためにこそ、こうして【説明回】を挟み込むのは、確かに妥当だろうよ」


佐世保の490「うふふふふ、ご理解いただけて、恐縮です。──それで、どのような点が、特に気になられました?」




日本鬼子(非萌え)「まず一つには、この作品の物語としてのベースラインが、いわゆる史実ガン無視の、露骨な『日本軍age&アメリカ軍sage』であるところかな」




佐世保の490「そうですね、まさに本作の作者自身も、そのことが最大の問題点だと自覚しているからこそ、こうして【説明回】を挿入することによって、何とかそのイメージを緩和しようと思っているようです」


日本鬼子(非萌え)「というか、そもそもこの作者は、旧日本軍艦の美少女化においては、御都合主義の歴史歪曲的『敗者復活戦』となることを、極力忌避していたはずでは? これでは作者自身が最も忌み嫌っている、『仮想戦記』そのものじゃないか?」


佐世保の490「メイド・イン・ジャパンの、軍艦擬人化美少女作品がバッシングを受ける際の、最も顕著なる理由の一つですしね」


日本鬼子(非萌え)「……まあ、そもそも本作の冒頭シーンが、旧日本軍支配下の東南アジアの一角で、先史文明のオーパーツとして軍艦擬人化美少女が発見される──といったところから始まるので、アメリカ軍を相手とした太平洋戦線を舞台にせざるを得なかったのは、理解できるけどね」


佐世保の490「何せ、『実は軍艦擬人化美少女なるものは、最新の科学技術やバイオテクノロジーなんかではなく、古代文明の遺産だったのだ!』というのが、本作最大のセールスポイントですものね」


日本鬼子(非萌え)「……でも、考えてみると、第二次世界大戦中の軍艦の擬人化キャラが、古代文明のオーパーツってのは、話が合わないんじゃないのか?」


佐世保の490「おやおや、詳しくは次回以降の【説明回】で行う予定ですが、基本的に私は、第二次世界大戦が実際に行われた世界線から、この『パラレル日本軍』が存在している『異世界』へと、転生してきているのですよ?」


日本鬼子(非萌え)「え? 異世界転生なの? 実はこの世界は、すでに滅び去った西暦世界の、『遠未来に』当たる世界で、おまえ自身も、21世紀よりも遙かに未来において創造された、軍艦擬人化美少女の『試作品プロトタイプ』あたりではないかと、思っていたんだけど?」


佐世保の490「うふふ、さしずめ『猿の○星』ではなく『日本人の惑星』とでも言うべき、どんでん返しパターンですね。当たらずとも遠からずといったところですが、やはり基本的には異世界転生なのでございます」


日本鬼子(非萌え)「それについては、次回以降で明らかにするってことか?…………ていうか、この【解説回】って、まだ続けるつもりなのかよ⁉」


佐世保の490「当然です、何せこのまま本編を続ける前に、ある程度読者様に対して、作品背景について、ご説明する必要がありますからね」


日本鬼子(非萌え)「……まあ、そうだな、このまま本編を続けてはまずいよね。──ただし、懸案の『日本軍age&アメリカ軍sage』については、うまくごまかせているようだけどな」


佐世保の490「提督も、そう思われます?」




日本鬼子(非萌え)「ああ、むしろうまくごまかし過ぎて、まずいくらいだ。何だよあの、『オークどもが支配するディストピアにおける、人間たちの反乱物語』は? もはや軍艦擬人化美少女モノでは無いじゃん⁉」




佐世保の490「そうなんですよ、作者が『反米主義者』だと誤解されるのを恐れて、仮想戦記的テイストを払拭するために、ファンタジー色を強調しようとした結果、あんなディストピアSFモドキになってしまったんですよ」


日本鬼子(非萌え)「この作者って他の自作において、『自衛隊大好き♡』&『日米同盟万歳!』って、表明しているからね。──ただしあくまでも、専守防衛を前提とした、平和主義に基づいているわけだけどな」


佐世保の490「それなのに、『旧帝国海軍復古主義者』であるかのように思われたら、堪ったものじゃないので、今回のような仕儀になったという次第なのです」


日本鬼子(非萌え)「とはいえ、これ以上ファンタジー色を強めていっても、本筋から離れていくばかりだしな」


佐世保の490「本来なら、合衆国内にヒューマン族のレジスタンス組織を作って、内側から戦争継続を妨害するという流れになるはずでしたけど、面倒臭いので、都市そのものを潰滅させることにしたのです☆」


日本鬼子(非萌え)「そういえば、失楽園ロストエンジェルスを丸ごと破壊し尽くしたってことは、オークの奴隷だったヒューマン族をも、犠牲にしたってことだよな⁉」


佐世保の490「……仕方ありません、あくまでも『兵器』に過ぎない私には、あるじの命令に背くことはできないのですから!」


日本鬼子(非萌え)「ちょっ、おまえのあるじって、俺のことじゃないか⁉ 何を人に責任転嫁しているんだよ!」


佐世保の490「だって、軍人としては、敵国の殲滅こそが至上命題でしょう? 私は提督のやるべきことを、代行しただけなのです」


日本鬼子(非萌え)「──ぐっ」


佐世保の490「と言うわけで、私が元いた世界で言うところの、ロサンジェルスに引き続いて、首都ワシントンも、ニューヨークも、原爆開発計画の中心地であるロスアラモスも、すでに完全に消滅しておりますので」


日本鬼子(非萌え)「一体、いつの間に⁉ ──いやいやいや、いくら何でもそんなことが、駆逐艦一隻分の戦闘能力しか無い、おまえにできるわけがないだろうが? そもそも弾薬等の補給はもちろん、一応外見上は人間であるおまえの活動エネルギーって、どうなっているわけなの⁉」




佐世保の490「それにつきましては、何度も申しておりますように、次回以降に明らかにする予定ですので、どうぞお楽しみに♡」




日本鬼子(非萌え)「……え、今回ただでさえ【説明回】であるくせに、こんなに短いの?」


佐世保の490「実は、前回の第6話と同時公開となっておりますので、二つで一つのエピソードのようなものなのですよ」

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