第5話

佐世保の490「──はい、と言うわけで、今回は私『佐世保の490』こと、大日本帝国海軍所属しらつゆ型駆逐艦2番艦、『時雨しぐれ』と、『日本鬼子(非萌え)』こと、神聖帝国旭光ヒノモト陸軍所属、ケンジ=オニヅカ特務大尉との、対話形式による、本作のこれまでの経緯についての、【説明回】を行わせていただきます」




日本鬼子(非萌え)「ちょっと、待ったあああああああああ!!!」




佐世保の490「……何ですか、『日本鬼子(非萌え)』さん、いきなり大声を出されたりして」


日本鬼子(非萌え)「もうね、何からツッコんでいいかね、非常に困っているんだけど、きっと読者の皆様も、大変面食らっておられるかと思われるんですがねえ、そもそも一体何なんだよ、俺の台詞の前にいちいち付いている、この『日本鬼子(非萌え)』って⁉」


佐世保の490「一応この場は、仮想的なチャットルームと言うことになっておりまして、それぞれの台詞の前に付いているのは、いわゆるHNハンドルネームと呼ばれるものでございます」


日本鬼子(非萌え)「……だから俺は一応、異世界だかパラレルワールドだかの存在と言うことになっているんで、『チャットルーム』とか『HNハンドルネーム』とか言われても、まったく見当がつかないんですけど⁉ そもそも俺は鬼人族だから、『鬼子』呼ばわりは構わないとしても、『日本』とか『非萌え』とかって、どういうことなの?」


佐世保の490「しまった」


日本鬼子(非萌え)「は?」


佐世保の490「どうせなら大尉は、本編においても、萌えキャラのほうの、『日本鬼子ちゃん』にすれば良かったんだ!」


日本鬼子(非萌え)「まあた、わけのわからないことを言い出しやがったよ、こいつ⁉」


佐世保の490「……そうよ、むしろ極ありきたりな青年将校よりも、黒髪ロングのクール美少女大尉であったほうが、よっぽど読者受けが良かったじゃないの!」


日本鬼子(非萌え)「人のこと、『極ありきたり』とか言うな! それに美少女なら、おまえ自身がいるから、すでに十分じゃないのか? それなのにあるじである俺まで女性にしたら、カップリング的にちぐはぐになるだろうが?」


佐世保の490「は? 何言っているんですか? オリジナルのゲームには女の子しか登場しないんだから、『百合上等』に決まっているではないですか? だからアニメ化した時に、(『プレイヤー=視聴者』のアバターでは無くなってしまった)『提督』の扱いに、あれだけ困ったんじゃないですか? ……どうしようかなあ、今からでも、大尉の性別を変えられないかしら。そうだ、いっそのこと、もう一度異世界転生をさせて、TS展開とか……」


日本鬼子(非萌え)「──おい、なんか、物騒なことを企むのはよせ! それに、この作品自体、れっきとした『オリジナル』なんだから、滅多なことを言うんじゃない!」


佐世保の490「大丈夫ですよ、そんなにビクビクしなくても。そもそも『時雨』という駆逐艦が存在していたのは、歴史上の事実なんだから、誰からも文句を言われる筋合いは無いし、それに下手に『軍艦を擬人化することのオリジナリティ』を主張し始めると、すべての小説やゲーム等の創作物が、『パクリ』であることになりかねませんからね」


日本鬼子(非萌え)「……まあな、『擬人化』自体が、昔ながらの普遍的な創作手法なんだから、今更著作権なんて、言及するだけ無駄な話だよな」


佐世保の490「後はあくまでも、個々の作品やキャラのオリジナルの部分を、そのまま『拝借』したりしなければ、オールOKなんですよ」


日本鬼子(非萌え)「だったら、おまえの『佐世保の490』というHNハンドルネームは、かなりヤバいんじゃないのか?」


佐世保の490「ふふふ、いいでしょう? 『』と読ませることによって、例のオリ○ンチャート三位の曲と、くだんの艦隊ゲームの潜水艦たちのネーミング法則ルールとの、二つの意味合いを同時に込めているのですよ」


日本鬼子(非萌え)「だから、それがヤバいって言っているんだよ⁉ 人の話を聞けえ!」


佐世保の490「……それにしても、たった三千枚ほどで、三位になれるなんて、オリ○ンも変わってしまいましたねえ」


日本鬼子(非萌え)「そりゃそうだろう、何せ今は、音楽や動画の視聴も配信DL主体で──じゃなくて! ただでさえギリギリの状況なのに、某機関に対してネガティヴとも取れる、発言までもするんじゃないよ⁉」


佐世保の490「……まさか、あの艦む○初号機、深海○艦の屍肉を食らって、C○機関を取り込むつもりなの⁉ だ、駄目よ、拘束術式を無効化された、艦む○が──先史文明が残した『邪神』が、甦ってしまうわ!」


日本鬼子(非萌え)「──やかましい! 『エヴ○』のパロを装って、本作自体の重大なるネタバレを、しれっと行うんじゃない! あと、C○機関は別に、永久機関の一種じゃないからな?」


佐世保の490「実は本作には、ちゃんと『クトゥルフ神話』のタグがあることを、お忘れなく♡」


日本鬼子(非萌え)「もう、『ネタバレ』も『パクリ』も、絶対禁止! そんなの創作物としては、鉄則中の鉄則だろうが⁉」


佐世保の490「今回はあくまでも番外編の【説明回】なんだから、大目に見てもらえますよお。それに『ネタバレ』と言うよりも、重大情報を小出しにすることによって、読者の皆様の関心をあおる意味もあったりするのですよ」


日本鬼子(非萌え)「それをバラしてしまったんじゃ、むしろ意味が無いんじゃないのか?」


佐世保の490「もうっ、提督ったら、細かいんだから!」


日本鬼子(非萌え)「その『提督』ってのも、どうなの? 俺ってれっきとした、『陸軍』大尉なんですけど?」


佐世保の490「某ゲーム的にも、軍艦擬人化美少女のあるじとなれるのは、『提督』に決まっているのです。──たとえそれが、いい歳して親の金をゲームばかりにつぎ込んでいる、ヒキオタニートの『こどおじ』であろうとねw それに比べりゃ、『パラレル日本軍』とはいえ、れっきとした軍人であられる大尉が、気にする必要なんて無いんですよ」


日本鬼子(非萌え)「──やめてええ、全方面に向かってケンカを売るのは、おやめになってえええええええ!!!」


佐世保の490「まあ、それは冗談ですけどね。むしろこういった細かい『設定』について、一から詳しく解説するのが、今回の【説明回】の趣旨ですし」


日本鬼子(非萌え)「……一から詳しくって、おい、ちょっと聞きたいんだけどさあ?」


佐世保の490「はい、何でしょう?」


日本鬼子(非萌え)「おまえって、前回のまでの本編と比べて、あまりにも性格が変わっていないか?」


佐世保の490「あら、そうですかあ?」


日本鬼子(非萌え)「しらばっくれるんじゃないよ? 本編のおまえはどちらかと言うと、ほとんど感情を表さずに、まさに人形か機械かって感じだったのに、何この【説明回】における『黒さ』は? ほとんど別人レベルじゃん⁉」


佐世保の490「ふふん、男ごときに、『女の真の顔』が見抜けるとも?」


日本鬼子(非萌え)「……いや、正体不明の『軍艦擬人化美少女』であるおまえは、とてもじゃないが、『一般的な女性』とは言えないだろうが?」


佐世保の490「──あなたに、私の何が、わかると言うの!」


日本鬼子(非萌え)「はいはい、駆逐艦型の、軍艦擬人化美少女──名付けて『ナデシコ』ってとこかな?」


佐世保の490「……失望した! 提督のすべてに、幻滅したよ、は!」


日本鬼子(非萌え)「急にボクっになって、ヤバい台詞を言うんじゃ無い! それの一体どこが、オリジナルなんだよ⁉」


佐世保の490「まあ、これもまた冗談ですけど、こうして私がその場その場のTPOに合わせて、何かと『キャラ作り』を行っているのも、まさにその『オリジナリティ』を強調アピールするためなんですよ」


日本鬼子(非萌え)「どうだか………まあいい、それで、質問を続けさせてもらうけど」


佐世保の490「今度は、何でございましょう?」




日本鬼子(非萌え)「これを言ったらおしまいじゃないかと思って、言うのをためらっていたんだけどね? 今回いきなり【説明回】になったり、会話の内容があれこれと脇道に逸れっぱなしになったりしているのは、もしかして、『字数稼ぎ』ではあるまいな?」




佐世保の490「…………」


日本鬼子(非萌え)「──おいっ、何でそこで無言になるんだ⁉ まさか、図星だったんじゃないだろうな!」




佐世保の490「ふふっ、いいんですか? 勘のいい提督さんは、長生きできませんよ?」




日本鬼子(非萌え)「……え。俺って、殺されちゃうの?」


佐世保の490「まさかそんな、私のような軍艦擬人化少女──本作で言うところの『ナデシコ』は、己のあるじと認めた提督のことは、けして傷つけられないようになっていますので」


日本鬼子(非萌え)「(ホッ)それを聞いて、安心したよ」


佐世保の490「(ボソッ)ただし、『リミッター』を、解除しない限りはね」


日本鬼子(非萌え)「──今なんか、非常に聞き捨てならない、『ネタバレ』しなかったか⁉」


佐世保の490「気のせい、気のせい」




日本鬼子(非萌え)「ていうか、やっぱりやっているじゃねえか、『字数稼ぎ』、しかも、ものすっごく、露骨に⁉」




佐世保の490「そうおっしゃらないでください、これにもちゃんと事情があるのですから」


日本鬼子(非萌え)「事情って…………なんか、前回のアメリゴ軍の陸軍長官のようなことを、言い出したな。どうせその事情って、本作の作者がグズグズしていて、『カクヨムコン5』へのエントリーが、締め切り四日前のギリギリになったために、このままではとても間に合いそうもないから、こうした【説明回】を挟み込むことで、悪あがきをしているだけじゃないのか?」


佐世保の490「もちろん、それもあります。できればこの【説明回】だけでも、最低でも一万字、可能なら二、三万字ほど、稼ごうかと思っております」


日本鬼子(非萌え)「こらっ! 一万字でも大概なのに、たかが【説明回】で二、三万字なんて、やり過ぎだろうが⁉」


佐世保の490「まあ、それはあくまでも、『ついでの努力目標』みたいなものに過ぎないんですけどね。──実は真の理由は、あなたが今まさにおっしゃったばかりの、アメリゴ軍のほうなんですよ。」


日本鬼子(非萌え)「へ? アメリゴ軍が、どうかしたっけ?」


佐世保の490「ほら、前回はアメリゴ軍の首脳陣による会議中に、とても信じられない驚愕の情報がもたらされたところで、いかにも今回に『引っ張る』形で終わったでしょう?」


日本鬼子(非萌え)「あー! そういえば、そうだった! ──いやいやいや、何を他人事みたいに言っているの? おまえだろう? たった一人で失楽園ロストエンジェルスを潰滅させたのって⁉ そんなすごい『ヒキ』で終わっておきながら、どうして今回になってしれっと、【説明回】なんかを始めているんだよ⁉」




佐世保の490「だから、その理由を今から明かそうとしているのであり、そうすれば、何ゆえこの【説明回】を設けなければならなかったのか、その詳細なる事情が、あなたにもよくおわかりになると思いますよ?」




日本鬼子(非萌え)「……前回の続きを、そのまま公開できなかった、理由だって?」




佐世保の490「ええ、論より証拠と言うことで、これより実際に、その『問題のシーン』を、特別に公開することにいたしましょう」

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