　川尻早人は吉良吉影を倒す可能性のあったスタンド使いらの死を経験し絶望した後、再び同じ朝に戻る。その際に彼は吉良吉影に有利な「運命」の打倒を決意し、彼を殺す準備を始める。彼は自宅から破壊力のあるスタンドを持つ猫草を持ち出し、間違い電話がかかってくるタイミングを生かして電話帳で東方仗助宅の番号を調べて電話をかけ、東方仗助の寝坊を阻止する。

　このように、川尻早人の「賭け」には下準備が存在する。ただしその準備の範疇内で事が片付いたというわけではない。東方仗助らが現れるタイミングで吉良吉影が本名を名乗る確証は無かった。

　川尻早人は策がたまたま上手くいったために勝利したにすぎない。しかし彼は「偶然なんかじゃあない…運命なんかでもない！これは『賭け』だ！」と語り、偶然を退けるのである。