作家が『日本語の間違い』を指摘せざるを得ない理由

 タイトルには『作家』と大きなくくりで書いてしまいましたが。

 正確には『創作において言葉を使う人』といったところです。



 先日、フォロワーさんのツイートで下記の言葉を見かけました。

 ・敷居が高い

 ・確信犯


 どちらも「誤用が広まり過ぎていて迂闊うかつに使えない言葉」として例に挙げられていました。

 私もこれらの言葉は使わないことにしています。

 正しい意味で使ってしまうと逆に理解されない恐れがあるからです。

 この不自由さ、言葉に頓着しない人には伝わらないかもしれませんが。



 新しい言葉がどんどん増え、古い言葉がどんどん廃れ、中には昔と意味合いが変わってしまう言葉もあります。

 また、言葉狩りという厄介なものもあります。

 差別用語ならまだしも、「子供」がNGというのは首を傾げてしまいます。

 仕方なく「子ども」と書くようにしていますが。


 言葉は常に変わり続け、その中でも使える言葉は制限され。

 私たち「物書き」は、そのような不自由な状況で創作をしています。


 もし言葉の誤用が広がれば、またひとつ「迂闊に使えない言葉」が増えてしまいます。

 それを防ぐために、日々正しい言葉だけを使うように心がけ、周囲で誤用を見つければやんわりと注意することもあります。

 私たち物書きは、言葉の自由を確保するため、日本語の誤用が広まることを食い止めねばならないのです。


 そのため、カクヨム投稿作品でも日本語の誤りがある場合は★をつけないことにしています。その作品が広まると困るからです。

 親しい方にはDMなどで連絡して修正後に★をつけることもありますが、それでもあまりに多い場合はそっと立ち去ることになります。


 目くじらを立てるつもりはありません。

 ただ、あなたの知らないところでそういうことが起きているかもしれませんね、というお話でした。



●誤用が広まりつつある言葉(覚書)


・敷居が高い

・確信犯

・所業

・なし崩し

・失笑

・爆笑

・姑息

・御の字

・すべからく

・破天荒

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