第23話
「あ、そうですか。それでは駅まで行きましょうか。」
「何を言っているの月山君。私もあなたの家まで遠征に、遠足に行くわ。お菓子は500円までで済ませておくから安心して。」
何を言っているのだろうこの先輩は。なぜこの先輩はさも当然のごとく男子高校生の聖域に足を踏み入れようとしているのか。女人禁制に決まっているだろう。
「大丈夫よ月山君。あなたの性域を荒らしたりなんてしない。くれぐれもベッドには近づかないでおくわ。部屋に入るときは必ずノックもするから抜かりないわね。」
「侵入者だ!聖壁を築いて城を守れ!」
「さすがは男子高校生。確かにガチガチのティッシュで作られた壁は強固だわ。でも残念、あなたは聖壁を築くことで自らの性癖を口外していることに気づくべきだわ。使われたことのない城なんて、あってないのと、いいえ立ってないのと同じだわ。」
抜かりないというか抜かれないというか。そんなくだらないことより、どうしてこの先輩が家に来ようとしているのか。
「いや、なんで先輩が家に来るんですか。プライバシーの侵害です。」
「甘い、甘いわ月山君。いい、部活動という名目伴う行動には、あらゆる行動が正当化されるのよ。覚えておくといいわ。それに、あなただって家の中を探さなかったわけではないのでしょう。他の人が見たら何か変わったものだってあるかもしれないわ。」
確かにそうかもしれないが、普通の人ならまだしも変わった人が見ても変わったものなんてわからないだろう。
「ほらいいから行きましょう。内心喜んでいるのなんてバレバレよ。よかったわね、美少女を家に連れ込むことが正当化されて。」
「いや美少女?てっきり家で豚の世話でもするのかと思っていました。」
「そんな雌豚だなんて、言うようになったわね月山君。さてはそういった嗜好なのね。」
駄目だ皮肉が通じない。というかわかってて反射してきてやがる。なんて悪魔だ。ここで悪魔だとか言ったら同じことの繰り返しだからもうやめよう。
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