1話 変態紳士と引きこもり少女



今日も喫茶でのバイトが終わって、自宅アパートに帰る途中、行く宛のない彼女を、自宅アパートに泊めてあげることになってから、そこからずるずる居座り続けているで奇妙な同居人マシロをどうやって引きこもり生活を更正させるべきか。そればかり考えていた。


喫茶でバイトする高二のオレ、進藤(しんどう)渉(わたる)は、

高校に進学と共に、都会の高校に通い出すことから、アパートで一人暮らしを始めた。

3LDKの物件で、高校生が一人で住むには、手広だった。

勿論親からの仕送りもあり、足りない分の食費・生活費を稼ぐために喫茶でバイトを始めた。将来的に、独立して店を開くとゆう夢があるわけでもなく、ただ生活する為にせっせと働く。今では二人分の生活費を捻出しないといけないから。バイトを始めたばかりの頃より力が入る。

外に出掛けるわけでもなく、常にアパートに、引きこもり生活をすることになった自称、異世界の魔導師に

いきなり、外で働け!と言うのは、ハードルが高い気がする。14歳とゆうことで、まだ義務教育が必要な年頃の子を採用してくれるとこがあるだろうか?

あったとしても、それはきっと...

ここは、まず外の世界に興味を持ってもらうところかな。と考え、

急いでアパートに帰宅する。


自分のアパートのドアノブを捻り、扉を開けると良い匂いが漂ってきて鼻腔を刺激される。



「ただいまー。」アパートの中へと呼びかけると、おかえりー。とゆう甘ったるい声の後に


とテテテテーっとマシロが小走りでかけてきて姿を見せる。



その格好はオレが貸してあげた、上下グレーのダボッとしたスエット姿で、上半身はスエットの上から水色のエプロンをした姿で出迎える。

スエットの胸の膨らみから推定されるするにCカップくらいの胸に一瞬視線がいき、視線を反らす。

男だからつい、バストチェックしてしまうのは仕方ないよね。

うち来てから数日過ぎ、これといったお互いの変化もなく、怠惰で甘え上手な彼女の世話を焼き、義理の兄妹みたいな関係が続いていっている。


「疲れたでしょ、お勤めご苦労さま。ご飯にする?お風呂にする?それとも...」


「...する?」


マシロは、最後のところを口ごもってしまう。


「え?なんだって?」


よく聞き取ろうと顔をマシロに身体を近ける。

白銀のロングヘアーに緑がかった青色のターコイズブルーブルーの透き通った瞳。幼い顔立ちでアイドル顔負けな容姿に吸い込まれそうになる。


「きゃっ!」


バチンとビンタが飛んでくる。


「痛いな!なにするんだよ。」と頬をさすりながらマシロを睨みつける。


「シンドーがいきなり近くからだよ!」マシロは両腕をブンブン振って怒って、へそを曲げる。



「声が小さくて、聴き取れなかったから、近づいたんだよ!」


「もう、失礼しちゃう!」


とマシロは、むくれっ面になり、そっぽを向いてしまう。


「それで、何をしようと思ったんだ?」

「シンドーさえ良かったら、...たいと思ってるんだけど...」

「えっ?」


ボソボソと恥じらうように言うマシロに一瞬、どキリとする。


「でも、シンドーが疲れてて、今すぐには無理っていうんなら後でもいいよ...」そんな遠慮がちに言い口ごもる。


「マシロ、お前まさか...」

(今夜、オレと...)


「ちょっと待って。シンドー、さっきから何言ってるの?」マシロは、唐突に言葉を遮る。


「せっかくシンドーが帰ってきたら一緒にゲームしようと思ったのに。」


「え?!っ、ゲーム!てっきりオレは...」


あらぬ勘違いを頭に残して言いよどむ。


「てっきり?なんだと思ったの。」


「てっきり、マシロがオレと男女の夜の営みを...」


「え?なに?」



「てっきり、オレとえっちなことがしたいのかと思って。」


するとマシロは、顔をみるみる真っ赤にする。

あわあわと口元を震わせて

「ばか!なんでそうなるの!」

と恥ずかしさのあまりぺチンぺチンと手のひらでペチペチと叩いてくる。

「シンドーは、やっぱり変態だ!」


とオレの体ををドンと玄関から外へ押し出ししてバタンと

扉を閉めて、がチャリと鍵を掛けてしまった。

オレは外へ締め出される形となってしまう。


「ちがう!オレは紳士だー!」とドンドンと扉を叩き、叫ぶのだった。


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