第5話能力を扱う為の修行!

俺が異世界に来てから一カ月が経った

慌ただしく過ぎて行く時間の中、俺は異世界に来た時の様にドキドキワクワクといった様子では無くなっていた

季節は冬

そう、お察しの通りもう時間が無いんだ

その様子を見て剣崎さんは日に日に修行をより濃い内容にしているが、俺はその期待に応えられず、感覚がわからないでいた


「よし、旺羅!

今日はここまでだ!

今日はご飯を食べたらなるべく早く寝て体力を養っていてくれ

明日からは荒療治にでる!」


「荒療治ってなんですか?」


「心配しなくていいぞ!

元々の土台が良いから、体つきは割ともうできているんだ

体力も学校の生徒と比べてもお前の方があるだろう

後は能力の感覚を掴むだけだ

内容は楽しみにしといてくれ!」


そういうと彼女は一足先に家に入っていった




正直に言うと俺は焦っていた

それは物凄く


試験まで残り二カ月しか無い中、筆記、実技どちらもこの世界に対応しなければならない

そして実技に関して言えば基礎中の基礎ができてないとなると、試験に出ても落ちるのは確実

それではヒーローなどにはなれない

元の世界には帰れない

未練があるわけでは無いが、俺はあの世界でまだ、やりたい事があるんだ...





翌日

「旺羅!

起きているか!今から訓練を始めるぞ!!」


「はい!

今から行きます」


時刻は朝の7時

俺は武闘着に着替えて下に降りていった




「今からやるのはいつもの様な訓練ではなく、対人戦だ

私はもちろん能力を使う

倒されたくなければ能力を出して私に対抗して見せるんだ」


「はっ!?ちょっと待っ「では始めるぞ」」


そういうとセイバーは何もない所からカリバーを取り出して俺に斬りかかってきた


ブンッ!ブンッ!


「危なっ!!」

「危ないと思うのなら私に対抗してみろ!!」


これはマジでヤバい!

俺はそう思いセイバーから距離をとろうと走り出した


「逃しはせんぞ!!!」


そういうとカリバーが瞬く間に光だした

気がつくとそこはさっきの様な森林の中ではなく、文字通り何もない空間になっていた


「これで逃げられないぞ!

旺羅!!自分の内側に灯る何かを感じろ!!

それを体に宿すんだ!!」


そんな事言われても...

クソッ!どうすれば...

こうなったら一か八かだ!!


「うおおおおおおお‼︎‼︎」


「旺羅!!

追い詰められて血迷ったか!!

何もせずに突っ込んでくるとは!!

ハァァァァァァ‼︎‼︎」


無謀な事はわかってる!

だけど俺は、やるしかないんだ!!

この前の戦闘やさっきの一発目に放ってきた攻撃とかを考えると最初の攻撃は...

「上段斬りだっ!!!」

「なにっ!

グハッ!」


よしっ!

決まった!

今の攻撃は賭けだったが、セイバーは予想通り上段斬りをしてきた

俺はそれを逆手に取り、滑り込んで背中にパンチを一発喰らわす事ができた!

だが...


「この手はもう...使えないな...!」


「なるほど、私の初手を見抜いての一撃...

見事だ

久しぶりだ、私が攻撃をまともに喰らったのは...!」

ゴゴゴゴゴゴ...


ヤバい、ヤバいヤバいヤバいぞ!!

今の一撃で完全にセイバーの雰囲気が変わった...!

この修行の時には見れなかった、見る必要のなかった、ヒーローの雰囲気になった...!!


「ヤバい!

距離をとらな グハッ!?」


一瞬理解が出来なかった、頭が追いつかなかった

そのくらいの速度の一撃をまともに喰らってしまった


(剣の柄でこの威力かよっ!!)


「これを、かわしてみろっ!!!」


俺は今腹を抑えてどう考えても避ける事なんてできないっ!


くそ、くそっ、くそっ!!


まだ、終わりじゃない!!


「まだだー!!」


ドーン!


「なに!

弾かれただと!?」


「今の感覚...もしかして...

いける、これならいけるぞ!!」


「よし!

セイバー!!かかってこー」

バタン


「すまない、旺羅

吹き飛ばされた時、咄嗟にカウンターをしていた様だ」



俺のヒーローへの道乗りはまだまだ険しいようだ




————————————————————

飛呂 旺羅

性別 男性

15歳

黒髪 短髪

能力名 不明



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