第6話 蠍の女王
「はぁ…… また負けたぜ……」
俺達はあれから授業で2回戦したが、2戦とも俺のど下手プレーで負けてしまった。
「す、すまない……。」
「あんた……本当にゲームセンスないわね」
「ゲーマー辞めたら?」
机に座り、外の景色を眺めながら溜息をこぼし、こちらを向き目を閉じた。
「はぁ。 本当ならあんたとは解散したいわ」
「俺だって、ただこの学園に入学した訳じゃねぇよ」
「なら、あんたは何でゲーマーになりたいと思ったのよ」
「俺は…… 最強のプレイヤーになりたいんだ」
真剣な眼で怜奈を見つめる。
怜奈は紫色のツインテールをなびかせながら首を左右に振り口を開いた。
「なら、余計に今のままじゃ駄目ね」
「一週間後には学年試合なのよ?」
「分かってる……」
そう、学年試合ってのはそのままの意味で、1年の中で1番強い奴を決める試合で優勝者には1000ポイントも入る為、進級に近づく事が出来る。だが、今の俺達だと確実に俺のせいで負ける事になるのが眼に見えている。
「和樹、この後は暇? 暇よね? そうよね?」
なんだ? 怜奈様がズイズイ来たぞ。
「なんかあるのか?俺はゲーセンで気分転換しに行こうと思っていたんだが……。」
「ゲーム下手なのにアンタ、ゲームセンターに行くの?」
鼻で笑って馬鹿にした言い方で俺に言ってくる。
「なんだよ!! 悪いかよ!!」
「別に? 私も一緒に行くわ」
そう言いつつ、鼻息を荒げて怜奈はゲーセンに興味津々なご様子だ。
こいつ俺に何も聞かずに決めやがった。どんだけお嬢様系女子なんだよ。
「まぁ、構わないが俺の下手プレー眺めてても面白くないと思うが……」
「それは別にいいのよ」
こいつ、今さらっと傷付く事言ったよな?
「お前こそ、俺になんか用でもあるのか?」
怜奈は胸ポケットからスマホを取り出し、
バレット・レイドと連携してるアプリを開き俺に見せて来た。
「これよ。バレット・レイドのショップで
新しい武器を買いに行こうと思ったの」
画面には新しいハンドガンにサブマシンガンと更に、新しいサプレッサーも登場したと
書かれている。
サプレッサーって言うのは自分の銃に取り付ける事で、銃声を小さくし、相手に気付かれにくい様にする代物だ。
「おお…… サプレッサーは欲しいな」
「なら、今日帰って来たら確認してみましょ!」
「だな。」
***
それから俺達は、バーガーバーガーで夜飯を
食べ、ゲーセンに向かう。
「ここがあんたが良く来るゲーセンなの?」
キョトンとした顔で怜奈が聞いてくる。
「そうだよ。」
「それで? あんたはなんのゲームするのよ」
「普通にFPSの練習だよ」
「そんなの家でも出来るじゃない」
呆れた様子で怜奈が言う。
「別にゲーセンで練習したっていいだろ」
和樹は少し顔を赤くして恥ずかしがる。
「紫竹 怜奈さん。…蠍の女王ですよね」
突然知らない女の子の声が聞こえ、それに反応した怜奈は振り向く。
(蠍の女王…?なんだ?)
俺も振り向くとそこには中学生くらいの
金髪のロングヘアをして俺達と同じ養成校の
制服を着た幼い少女が立っていた。
「蠍の女王、私と勝負するです」
「あんた何者よ」
To be continued……。
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