第2話最弱ゲーマー
「おいおい、どうなってるんだよ……」
「何をそんなに驚いてるの……よ」
少女も俺のアバターに気付いたのか驚く。
「あんた……嘘でしょ……今朝に私がヘッドショットで仕留めた……」
「お前、朝の時に俺を仕留めた紫女じゃねーか!!」
どうする?!このまま戦ってもまた負ける確率のが高いぞ……。
「さて、どうするの?逃げる?それとも戦うの?」
「ぐぬぬぬぬ……」
正直、今戦っても勝てる保証は全くないけども、このまま逃げるのも男じゃねーよな。
「逃げるかよ!! 受けるよ」
対戦開始の音がなり、広場から場所が変わり、一瞬にしてフィールドが廃墟になり、お互いに開始の配置も変わって何処から撃たれてもおかしくない状態である。
「よりにもよって廃墟かよ……ついてねぇな」
辺り一面、ボロボロになった廃墟や建造物で視界も悪い。
「クソ、何処にいやがる……」
俺はMP5を両手で握り締め廃墟ビルの廊下を走り抜ける事にした。
この建物の物陰を利用して奴に少しでも近づいて、そこから俺の愛銃で撃ちまくれば…勝てるぞッ!!
ガンッガンッ
「あれ…」
自分の視界、左上に表示されている青色の線が少しだけ減る。
なっ?! 撃たれたのか? 俺は。
何処から撃って来たんだ?何処からだ?
そんな事を考えながら俺はふと、対面に座る彼女を見るとーー
二タァアア……
少女は顔を凄い歪ませて笑ってきていた。
「あんた、本当にゲーマーなの?動きがバレバレ過ぎよ?」
そう言って少女は容赦なく此方に向かって彼女は対面側からガトリングで撃ちまくってくる。
「おい!! 流石に自分よりも弱いからって酷過ぎないか!!」
「うるさい! 問答無用!!」
俺は廃墟の壁に身を潜めて相手の弾切れを起こすのを待っていた。
ガチンッ
彼女がいる方角から鈍い音が響いた。相手側の壁を双眼鏡で覗いてみると、どうやら弾切れを起こしたらしい。
メインウエポンのガトリングは設置式で一発の威力と連射が強いのだが、このゲームの仕様で一度設置するとそこから外したり、武器の移動が不可能になり、弾切れを起こすと
リロードにかなりの時間が掛かる。
そう、これは転機であり、勝機だ。
「勝てるッ!!」
俺は確信を持ち、彼女がいる対面側まで猛ダッシュで走り出す。
愛銃のMP5を握りしめて。
「俺の勝ちだぁぁぁ!!」
少女側の壁に思いっきり乱射をしようとしたが、奴がいなかった。
「あんたって、本当にお馬鹿さんよね…… 床を見なさい」
「床を見ろ?」
少女に言われて床を見る。
「なッ!!手榴弾?!」
「さようなら、お馬鹿さん」
画面がフラッシュし眩しい光に包まれていき、次に視界を見た時には俺のHPはゼロになっていた。
「残念だったわね?また私に負けて」
「くそぉぉぉお!! また負けたぁぁぁ!!」
俺が落ち込むと同時に、学校のチャイムがなり始めた。
ガラガラッ
「皆さん!! ちゃんと席に着いて下さいねぇ〜」
ポニーテールをした、グラマーな体格のスーツを着た女性が入ってきた。
「あの人、見た事あるぞ」
「確か、なんかのゲーム雑誌に載っていた気がするな」
「そりゃ、そうよ! eゲーマーを目指してるなら誰だって知ってるわよ!!」
「あの人はバレットレイドの世界ランカー第4位の人なのよ!!」
「マジかよ」
今さっき俺達が対戦していたゲームの世界ランカーかよ!!って事は当然にコイツより強いし上手いって事だよな……。
「化け物かよ……」
「初めまして、皆さん!! 私はこのクラスの担任になりました、間宮 静華(まみやしずか)って言います!!今日から三年間宜しくね!!」
先生の自己紹介が終わると周りの男共がめちゃくちゃ騒ぎ始めた。
世界ランカーで可愛いはチートだな。
そんな事を考えながら、この学校の方針や概要の説明を聞いていた。
「では皆さん!!お隣の対面している方と今日から飲食住を共にしてもらいますね!!」
「そして!! 今日からお隣さんとレイドを組んで貰います!!2人で合わせて15000ポイントを稼いで進級してくださいね!!ルールは簡単です!!」
「ちょっと待って下さい!!先生!!なんで私がこんな貧弱で激弱な奴と組まなきゃ行けないんですか?!」
怜奈は驚いた様で、立ち上がり担任に物申した。
(おいおい、こんな所で散々な言い様だな。流石に悲しくなるぞ。)
「貴方は確か、紫竹 怜奈さんですよね?」
「はい、そうです」
「この学校では隣になった人とレイドを組んで月に一度の学期末試合でポイントを奪い合い勝ち残るだけ。 それがこの学校のルールなの」
「それが嫌ならここで辞退してもいいのよ? 怜奈さん」
今の話が本当なら数少ない学期末試合で勝ってポイントを稼ぐしかない。
「わかりました。 なんでもないです」
「はい!! では、皆さんには2人1組で寮を用意してますので明日からの授業に備えて、ゆっくり休んで下さいね!!」
***
あの後はお昼に弁当食って後は学校のベンチで昼寝して寮に戻ってきた。
「たく、今日は散々な目だったな…」
部屋に入り、ベッドに倒れ込み、うつ伏せになる。
ガチャッ
怜奈が帰って来たんだろ。俺はそう思い身体を起こし、今日の彼女が言った発言を指摘しようとしたが俺は見てはいけない物を見てしまった。
「へ……変態……」
「ち、違う!!これは事故だ!!不可抗力だ!!」
そう、俺が見てしまったのは、甘いバニラの香りが漂う真っ裸状態で恐らくAカップであろう怜奈様だった。
やらかした!!完全に頭が疲れ切っていて、風呂に入ってる事すら気付かなかった!!まずい!!
「聞け!俺はけっして変態ではない」
「だからーー」
「問答無用!!ヘンタイ!!」
俺は怪獣にビンタされ、視界が暗くなり、意識を失った。
To be continued……。
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