番外編1話_古びた無地の薄い本

願望とは誰にでもあるものである。

それを具現化した能力。それこそが"願望"である。自身が思ったように世界線をずらす能力だ。

だが、世界線をずらすにはリターン。つまり副作用がある。

それは"命"だ。この"願望"という能力は"命"を糧にして世界を作り替える能力だ。

世界を作り替えるということは矛盾をも作れるということ。

例えば瞬間移動、物体消失、物体創造、マインドコントロールなど現実的にありえないことを作り出せる能力などとも言える。だが、矛盾を生み出すということは世界の秩序に歯向かうということ。ならばそれ相応の命を消費しなければならない。

しかし能力で命を作り出すことは不可能だ。




ーーここからはこの本の筆者からつばきに当ててだ。

感情を殺せ、これは命令だ。

感情に伴い世界が崩壊しかねない。それだけは絶対にするな。

また、この本の制作者を探ることは許されない。探っていることが分かった場合、存在を消す。



この本には能力の"基本"を書いている。

それは"概念"であり"定理"ではない。

また能力の基本を知っている私でも全てわかっているわけではない。

能力はつばき以外に持っている人間はいない。




ここで私が語れるのはここまでだ。


健闘を祈る。

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