第24話 シャケ商店
詰所にいた全員から話を聞くと、僕は三村くんとともに廊下へ出た。
詰所のとなりには『兵術訓練所』と看板がたっている。ちゃんと文字も日本語だ。まあ、通貨単位が円だもんな。
兵術かぁ。その前に、とりあえず装備をそろえたいんだけど、ここって武器屋を見かけないなぁ。
と思っていたら、なぜか、ずっとついて歩いていた三村くんが、兵術訓練所の看板のよこに、壁にピタッと背をつけて立った。
「どうしたの? 三村くん」
「へい。らっしゃい。武器でっか? 防具でっか?」
お……おまえかァー! 武器屋!
たぶん、お城のなかに店屋がないんだな。
この場所が三村くんの商売の固定位置なんだろう。
「……えっと、じゃあ、防具」
僕はまず守りを固める派だ。
今のところ初期装備の布の服と、宝箱から回収した皮の帽子しかつけてないから、もろいのなんの。
「らっしゃい。シャケ商店へようこそ。防具なら、このへんや」
お品書きを渡された。
皮のよろいが八十円。
皮の盾が五十円。
革靴が三十円か。
一個だけ青銅のよろいがある。でも、これは百八十円もする。高いなぁ。だけど、できることなら、なるべくいい装備を早めに買ってそろえたい。ちまちま安いの買って何度も買いかえるのは愚の骨頂だ。
「ちなみに武器は?」
「武器なら、このへんやな」
またもや、お品書き。
ちゃんと現物、持ってるのかな?
ちなみに、果物ナイフが百円。
銅の剣が百五十円。
うーん。武器は高いな。そして、どれも接近戦向けだな。できれば遠くから攻撃できるものがいいんだけどな。
巨大イモムシとか、さわりたくない。
皮のムチ、八十円か。
まあまあだなぁ。
でも、安物は買わないぞ。
あっ、ブーメランだ。
ブーメランがある!
懐かしのあのゲームで、さんざんお世話になったブーメラン。敵全体を攻撃できるから超便利なんだよね。
ブーメランは……三百五十円!
僕の所持金より高いんですけど。
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