第34話 あとは任せて ~Girl's side~

「……よかったんですか?」


「なにがだ?」


 生徒会室の扉に寄りかかりながら、私は貝塚書記に訊ね返した。


 彼女はいつもどおりの落ち着き払った口調で、


「他にも解決方法があったんじゃないですか、という意味です」

「ああ、そういう意味か」


 部屋の中からは、3人の声が聞こえてくる。時折混じる笑い声のことを鑑みると、どうやらうまくいったようだな。


 よかったよかった。


「貝塚書記の言うことももっともだが、今回あの子は無関係とはいえなかったしな。それに、あの2人を止められるはあの子しかいないだろう」


 私が出ていったところで、きっとうまくは収まらなかっただろう。間違いなくあの子の力が必要だった。


「だから、今回はこれが最善……とまではいかなくても、ベターエンドといったところだろう」

「……まあ、会長がそうおっしゃるのなら、そういうことなんでしょうね」

「うむ。これでひとまずは一件落着、というやつだ」


 ところが貝塚書記は、何も言わずに小さく息だけを吐く。

「何か納得のいかないところでもあるのか?」

「私は特にないです。ですがこのまますべてが丸く収まる、とはならないんじゃないですか?」


 なんだ。

 そんなことか。


 そんなことは――


「貝塚書記よ。私は生徒の憧れの的、生徒会長だぞ?」

「自分で言いますか」

「それくらいのことは、後始末も含めて、どうにかするとも。この私の素晴らしい手腕でな」

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