第18話
ここでは円形の空間に映写機で360度全方向に映像を映しながら、金栗四三の生涯を説明するコーナーらしい。
すごろくで。
なんで双六なのかと思ったが、玉名市が販売している金栗四三すごろくというおみやげ品(200円)があるらしい。
ここはその双六を実際の写真や動画を交えて説明するらしい。
金栗さんはここ玉名の北東にある和水町で生まれた。
そして東京の学校に進学してマラソンで優秀な成績を出して(略)、教師となって女学校に赴任したらしい。
彼の生涯は長くなるので詳しくはググって欲しい。
「学生さんからは「パパ」ってよばれてたらしいよ」
これはドラマでも採用された史実なのだと言う。
ただ、ここの映像。有名な若いときの金栗さんが、立体に表示された木のある平原を、双六にそってぴょこぴょこ移動するシーンが印象深かったが、内容はほとんど忘れてしまった。
「録音しとけば良かったね」
と朝美ちゃんが言う。
パンフレットを見ると撮影と録画は禁止と①番目の禁止事項にあるが、録音禁止とは書かれてない。しまった。その手があったか(たぶんだめです)
なお、CGとか現在の写真は360度だが、オリンピックの写真などを写しているときは90度ごとに同じ写真が並んでいた。
まあ、360度全力で別の画像を出してたら3回は見直さないと全部はみれないだろうし、ほかのお客さんが邪魔で見えなくなるおそれもある。
人間の目も360度見えるようにならないと、使いこなしにくい技術ではありそうだ。
「あ、これ近くに行くとやっぱり影が写るんだ」
と朝美ちゃんは放映終了のタイミングで壁に接近して原理を確認していた。
小学生以上に好奇心の塊だった事を記録しておく。
体感シアターを出ると正面には金栗四三年表という壁一面に四三さんの生涯が書かれた年表がある。
左にはオリンピック出場前の勇姿があり右に行くごとにその軌跡を追える形式だ。
下には世界の動きが書かれており、第一次世界大戦で中止になった所からパリオリンピックまでを選手として走り続けていたことがわかる。
一番右には老年の状態の写真がある。
この偉大なマラソンの父の功績が書かれた壁を抜けると出演者の色紙とドラマ館にきた人の感想を掲示した小部屋にでる。
可児先生とかの色紙が飾られているが、撮影はNG。
貴重なサインも縦3列、横20列以上並んでいると数が多すぎてありがたみがインフレを起こしてしまう。リリーフラン○ーさんみたいにイラスト付きだったり、相当のファンでないとじっくり見るのは難しい。
特に今日のように時間が限られていると。
なお、ここでは次回のドラマの予告映像が流れていた。
サブタイトルは『民族の祭典』
ベルリンオリンピックの記録映画のタイトルが、今日放映される話のサブタイトルになっているようだ。
「第一部の金栗へんは「夜明け前」からはじまる文学作品のからとってるものが多くて、第二部のまーちゃんからは映画とか音楽の題名からとっているみたいなんだよね」
「へー、じゃあ元ネタとかわかるとさらに楽しめるのかしら?」
そんな事を話していたら時間が気になった。
とりあえず、時計を見たら10時半になっている。1時間半も滞在していた勘定だ。
「なごり惜しいけど、そろそろ出ようか」
そういって出口専用の自動ドアをくぐる。
最新技術の展示会でもある、大河ドラマ館はなかなかおもしろかった。
ドラマに思い入れの深い人は展示物を見て涙ぐんでいたが、見てない私でも偉人の一代記は興味深い。
鹿児島のように片道4時間以上かかる所まで行って見たいとは思わなかったが、ドラマがおもしろかったら、もう一度くらいは見ても良いなと思った次第である。
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出口の先は先ほどのおみやげ屋さんに続いていた。だが
「今日はいろんな所に行くからね。荷物は少ない方がいいよ」という朝美ちゃんの言葉がもっともだったので、すぐに消費できる菓子だけ購入して外に出た。
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