婚約破棄という呪縛から逃れるため私は逃げ続ける~最後まで逃げて婚約破棄をどうにかしたい~

一ノ瀬 彩音

第1話 婚約破棄なんて絶対嫌っ!!

貴族であるミリアーヌ・サイアは心に決めた人が以前からいて

その人とは既に婚約しているのです。


もちろん素敵な男性でして、私には勿体ないかもしれませんが、

それでもその男性は私の事を大切にしてくれるのです。


その素敵な男性はミシェガ・バーミンと言いまして、

本当に大切な存在です。


私とミシェガは同じ貴族でしかも年齢も同じ22歳です。


これって本当に運命かなって思います。


運命なのはいいけれど、私はミシェガとデートしていると

楽しそうにしていないミシェンガがいるのでどうしたのかなって

思いますが、気のせいかもしれないので気にしません。


しかし、次に出会った時、デートしているとミシェガは

楽しそうじゃありません。


私がいるのに楽しくしてないなんておかしいかなって思います。


そこで私はミシェガに直接きっちりと聞きます。


「ねぇ、私といてつまらない?」


「いやっ、そんな事はない」


「じゃあ、どうして楽しそうじゃないの?」


「本当に何でもない、気にしないでくれ」


私はどうしても気になるのでさらに聞いてみます。


「何か隠しているでしょ?」


「隠してないな」


「はっきりと言っていいから」


「しょうがないな、言わせてもらうぞ」


「うん」


「ミリアーヌとはもう無理だ」


「無理ってどういう事よ」


「婚約しているが婚約破棄する、すまないな」


「そんな事ってひどいよ」


このままでは婚約破棄されると思うと私はその場から

走って逃げます。


「おいっ、待て、ミリアーヌ!」


もちろん走って逃げる私をミシェガが追いかけてくるのです。


私とミシェガだとミシェガの方が足が速いので追いつかれると

思います。


しかし、逃げ続けないと婚約破棄されてしまうので逃げます。


せっかく幸せを手に入れるチャンスなのに、台無しにするのは

良くないし、このまま逃げます。


ただ逃げるだけではミシェガに捕まるので私はこっそりと

仕掛けをしながら逃げるのです。


私は立ち止まるとミシェガは私に近づいてくるのですが、

私の傍まで来た瞬間、私の仕掛けたのが発動して

ミシェガは遥か彼方に飛んでいきました。


これでひとまずは安心して婚約破棄から逃げれそうです。


私は近くに森があるので、そこで休憩する事にします。


走ったおかげで疲れているのでどうしたものかなって

思っていると、ミシェガの声が聞こえてくるので

逃げないといけませんが、私は逃げる事にします。


さらに森の奥まで進むと泉がありますが、私は泉で

少し休むけど、そんな暇はないはずです。


それでも休まないといけないので休みます。


泉で休んでいるとミシェガの声がだんだん近づいてきて

追いつかれる予感がします。


そこで私は泉の中に入ると衣服がびしょ濡れになって

しまいますが、そんな事を言っている場合じゃありません。


泉にとうとうミシェガが来ると私にこう言ってきます。


「逃げても無駄だ、婚約破棄はさせてもらう」


私は泉の中に居ますが、ミシェガに向かってある事を言います。


「婚約破棄するというのならここで死にます」


「やめろっ、婚約破棄くらいでそんな事はするな」


私は泉から上がると少しだけミシェガとは距離を置いて

いつでも逃げれるようにします。


しかし、衣服がびしょ濡れなので私は衣服を脱ぐと

衣服の下には水着を着ているのです。


動きやすいようにもっと別のにすれば良かったかなって

思いますが、それでも私は水着を選んだのです。


「じゃあ、動かないで、婚約破棄されないように

逃げるから」


「わ、わかった」


「動いたら死ぬからね」


「あぁっ」


私はミシェガを見ながらじりじりと距離を離していくと

私は小石につまづいて転んでしまうのです。


その時でした。


ミシェガが転んだ私を見ていると近づいてきて私は

捕まるのでした。


「やっと捕まえたな」


「あぅっ」


「これで婚約破棄が出来るな」


「ねぇ、何でそこまでして婚約破棄するの?」


「それはな、別に好意を抱いている人がいてな、

その人と結婚したいんだよ」


「そういう事なんだね」


「そういう事だ」


「そっか、私はその人に負けたのね」


「そうなるな」


「私って貴族としても女性としてもダメ?」


「そんな事はない」


「そうなんだ」


私はきっとミシェガとはあんまり相性というか、気持ちというか、

通じ合ってないのかなって感じました。


結局、婚約破棄というのからは逃れる事は出来ないので

婚約破棄を素直に受け入れる事にしました。


その後、ミシェガは別の女性と結婚しているのかなって

思っていたのですが、なぜか知りませんけど、一人のままだそうです。


私にとっては婚約破棄されているのでもうミシェガとは関係を

持つつもりはございません。


それに恋愛はもうしません。


こういう事が起こると嫌だし、恋愛は難しいのでやめます。


恋愛は本当にやめます!

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