第59話

そして背中には長い針のようなものが何十本と生えていた。


身長は魁斗よりもでかい。


「最終地点にいるということはラスボスだな」


「まあ、そういうことになるかな」


「じゃああいつをやっつけたら、もう終わりだな」


魁斗は振り返って私にそう言った。


その瞬間、トカゲのあやかしが頭を下げ、同時に背中の針が三本、魁斗に向かって飛んできた。


「危ない!」


私は叫びながら魁斗に向かって走った。


青柳も同様に走ったが、二人ともとてもじゃないが間に合わない。


しかしそのとき、魁斗の前に立ちはだかった者がいた。


一番近くにいた紫苑だ。


距離があれば双龍刀を振って針を叩き落すこともできたかもしれない。


しかし紫苑が飛び込んだときは、三本の針はすぐ目の前だった。


それでも左右の刀で二本の針は防いだが、一本は防ぎきれなかった。


「うぐっ」

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