第58話

青柳が近づき小声で言った。


「闘争心があるのはいいことだということにしておくか」


「そうしよう」


魁斗がなにかぶつぶつと呟きながら歩き出し、三人がついて行った。



そのまましばらく進んでいると急にひらけた。体育館くらいはある空間だ。


「なんだここは?」


「ここが一番奥。つまり最終地点だ」


「最終地点? で、化け物は」


いた。地面や壁と同じ体色をしていたので最初見逃したが、この空間のほぼ中央になにかがしゃがみこんでいた。


魁斗が無造作に近づいて行く。


「おい、気をつけろ」


「わかってるぜ」


魁斗はそいつの近くまで来た。


そいつは私たちを順番に見てから立ち上がった。


その体型はほぼ人間だが、全身が灰色の鱗で覆われている。


その顔は人間とトカゲを混ぜたかのようで、手には大きな鉤爪がある。

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