第53話

一噛みでもけっこうな怪我をおっただろうが、四人全員が自分に向かってくる化け芋虫を倒したのだ。


「見学だけだと思ってたのに」


「すまんな。参戦させてしまって」


「ううん。すかっとしたわ。ラッキー。初めて化け物やっつけれたしね」


「俺に感謝するんだな」


「なんであんたに感謝しなきゃならないのよ」


「なんでって、俺のおかげで化け物いっぱいやっつけれたんだぞ」


「あんたが化け物用意したわけじゃないでしょ。これだからバカは」


「なんだとう」


「なによ」


「またか。やめないか二人とも」


静かになった。


私が止めると二人とも一応おさまるのが、自分でも不思議なのだが。


青柳が言った。


「先に進もう」


「そうだな。ほら行くぞ」

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