第52話

体長50センチくらいの身体で先端には口があり、そこにサメの歯に似たものが生えていた。


そんなやつが見た目からは考えられないほどの速さでこっちに向かって来るのだ。


しかもその数、数えられないが百や二百ではないことがわかった。


もっと多い。


「なんだ、これは」


魁斗は戦鎚を振り回し、けっこうな数の芋虫を吹っ飛ばしたが、いかんせんその数が多すぎる。


「緊急事態だ。助けるぞ」


私は参戦した。


青柳と紫苑も。


四人でそれぞれ武器を激しく振り回して、化け物芋虫を倒していった。


数が多すぎて苦戦したが、気がつけば動く芋虫は一匹もいなくなっていた。


「みんな大丈夫か?」


「大丈夫だ」


「大丈夫に決まってんだろう」


「あたいは大丈夫よ」


なにせあの歯だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る